謎掛け、ダジャレ以外にも言葉遊びは色々あります。
「山号寺号」というのもあります。本来は「成田山新勝寺」のようなお寺の名前につくものですが、「◯◯山△△寺」という形で遊ぶもので、落語にもあります。
若旦那が浅草の観音様にお参りに行くというのを聞いて、幇間が「金龍山浅草寺ですか」とちょっと賢ぶって、しかも「これはどこにでもある」と言ってしまった。それで若旦那にあれこれ詰め寄られ、「時計屋さん今何時?」などとんちで切り抜けるという落語です。
小咄も含めれば、落語にはこういった言葉遊びが豊富にあります。例えば「崇徳院」という落語。これはとある大店の若旦那が、とある茶店で見かけたお嬢さんに一目惚れ。お嬢さんもどうやら同じ思いだったようで、さらさらと
「瀬を早み岩にせかるる滝川の」
と百人一首にも入っている有名な和歌の上の句だけを渡す。下の句は
「われても末に逢はむとぞ思ふ」
と「今日は本意無く別れるけど、いつか必ずお会いしましょう」という気持ち。
ところがお互いどこの誰かが分からず、若旦那とお嬢さんの家の奉公人、使用人達があてもなく探しまわる。ようやくお互いの目指す相手の使用人同士が床屋で出会い、大騒動に。床屋の大きな鏡がわれて「これ、弁償してくれ!」と髪結いが言うと…
「割れても末に買わんとぞ思へ」
と、見事に下の句のダジャレになって落ちるわけです。
今日はちょっとダジャレ連発で頭のトレーニングをしてみてはいかがでしょう? 「オヤジギャグばっかり」と嫌われない程度に…。
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