吉田「田村くんから毎日のように運転しているとお伺いしましたが」
祖父「ワシが免許を取ったのは22歳の頃だったから……もう60年ほど、ほぼ毎日運転してるかな。足立区のさ、花畑ってところは昔は交通の便が悪くてね、今は改善されたものの、バスしかなかったわけよ。そしたら必然的にクルマの需要があがるわけでさ、ワシ自身もクルマの運転は好きだから、今はちょっと腰の悪さもあるんでコンビニへ行く時もクルマを走らせているってわけだね」
吉田「田村くんからお爺さんは元気過ぎるとお伺いしてましたが……伺っていた以上にお元気な方で安心しました。ところで毎日のように運転する理由はクルマが好き、運転が好きというだけじゃない気がするのですが」
祖父「うむ、ワシ自身の問題なんだけどな、15年ぐらい前だったか、中国全土を巡ろうとして、1ヶ月ぐらい妻と中国旅行へ行ってたんだけど、帰国してから毎日のように運転していたのが、1ヶ月運転していなかっただけでドライブ感覚に衰えを感じてしまったんだな」
吉田「それはどんな衰えだったんですか?」
祖父「反射神経なのかな? 飛び出してくる自転車に対し、ブレーキを踏む速度が今まで運転していた時よりもワシの感覚的に遅く感じたんだよ。幸い自転車と接触せず……というよりも、一時停止無視して飛び出してきた主婦にその場で5分ぐらいワシから説教したぐらいだったがな(爆笑)」
吉田「どんな説教したんですか?(笑)」
祖父「『あんたね、いい歳して一時停止もせずに自転車で飛び出してきて良い悪い判断が出来るオトナなのに何やってんだよ!』と猛烈に説教を食らわした。『あんたみたいな自転車乗りがいるから無謀運転の自転車が当たり前のように信号無視したり一時停止無視したりするんだから、子どもたちの模範になるような正しい乗り方をしなさい!』とも畳みかけるようにガンガン説教しまくったわい(笑)。」
吉田「お爺さんカッコイイですね!」
祖父「日本の道路交通法はこのように飛び出して事故を発生させる加害者に対しても、自己責任における罰がないから常にワシは憤慨しているんだよ。自転車は軽車両なのに弱者扱いされ、接触でもしたら運転しているワシの方が加害者みたいに扱われ痛い思いするからなあ」
吉田「まぁ、飛び出しするバカは全員当たり屋だと僕は思ってますけどね」
祖父「ああ、確かにそうじゃな(笑)。でも日本の司法は当たり屋として扱わんからそこも問題。一番の問題は良識あるオトナが自転車だから大丈夫と軽くみて勝手な思い込みで一時停止無視して飛び出す事例を自己責任扱いで罰せないことなんだよな!」
吉田「おー! 田村くんのお爺さんが道路交通法に対してこんな熱い方だったとは思いませんでした!」
祖父「60年間、毎日のように運転しているからのぅ(笑)」