中国商務部は2月18日に、12日の弾道ミサイルの打ち上げへの制裁として北朝鮮からの石炭輸入を年内いっぱい停止することを発表しました。これに対して北朝鮮は「友好国を名乗る隣国が北朝鮮を貶めた」と反発しています。
● 北朝鮮メディアが中国批判「友好国を名乗る隣国が北朝鮮をおとしめた」
一方、中国国内では金正恩は「三胖」(北朝鮮の三代目のデブ)と呼ばれ、非常に嫌われています。一時期はこの「三胖」という言葉は、北朝鮮に配慮して、中国では検索禁止のワードとなっていました。しかし、2月13日からは検索可能になったようです。
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こうした動きから、かつて「血の同盟」と言われた中朝関係ですが、もはや風前の灯火であり、中国が北朝鮮に軍事行動をかける可能性すらささやかれています。
2月24日には、アメリカが北朝鮮外務省幹部へのビザ発給を認めませんでした。アメリカは、自国まで届く弾道ミサイルの開発を絶対に許さないという態度の表明でもあります。
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トランプ大統領も2月12日の弾道ミサイル発射については「非常に憤りを覚える」と非難を強め、軍事オプションを取る可能性も示唆していました。そして27日にはトランプ大統領は国防費10%増額の方針を明らかにしています。
また、アメリカ政府は北朝鮮のテロ支援国家再指定を検討しているとも報じられています。そうなれば、北朝鮮と取引する金融機関は、アメリカの金融機関と取引ができなくなります。
北朝鮮外務省幹部をアメリカに入れないという姿勢は、交渉を拒否するという強い姿勢でもあります。アメリカは北朝鮮に対して軍事オプション行使をちらつかせている段階だといえるでしょう。
こうなると中国も黙っていられません。そのため、アメリカに北朝鮮を攻撃される前に、中国では自分たちの手で金正恩体制を崩壊させて都合のいい政権を樹立しようという動きに出るという観測が高まっています。
事実、中朝国境の解放軍が兵力を増員しているという噂が流れ、中国国防部がこれを否定するということも起きています。世界は中国が北朝鮮に侵攻するのではないかと見はじめているということです。