シリア攻撃ドタキャンで露呈した米英仏の分裂
一つわかりやすい例をあげておきましょう。
G7というと、日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、カナダです。
2013年8月、オバマは、「シリアを攻撃するぞ!」と張り切っていました。理由は、「アサド軍が化学兵器を使ったからだ」と。「特別な関係」にあるイギリスと、フランスは同調しました。ところが8月末、まずイギリスが、「やっぱ戦争するのやめた」と反対にまわった。これは、議会が反対したからです。そして、フランスも反対にまわった。結果、オバマは2013年9月10日、戦争を「ドタキャン」せざるを得なくなった。これでオバマは、大恥をかき、「史上最弱のアメリカ大統領」とさんざん批判されました。
もし「アメリカは強力で、他のG7諸国は言いなりだ」というのなら、なぜイギリスやフランスは、アメリカに逆らって戦争反対にまわったのでしょうか? 答えは、「アメリカに逆らって反戦になっても、怖くない」と判断したからでしょう。実をいうとアメリカは、「G7諸国すら完全支配できていない」状態なのです。