ふるさと納税のアイディアはなかなかのものだと思う。大都市に若者が出て行き、そのまま故郷を離れっ放しになるから地方が衰弱してゆくのだ。
ふるさと納税という言葉には、衰退する故郷に、金銭的に支援するだけでなく心のつながりを維持したいとする心情もあろう。
スタートした08年度には約72億円だった寄付総額は16年度には2,600億円ほどになるという。ともあれ、官庁があれこれ口やまかしく上限まで設ける指導をしているようでは日本の寄付文化は成長すまい。何事もおカミが口をはさむのは慎みもっと民の常識を信じたらどうか。
(財界 2017年5月23日号)
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