例えば今年4月5日、江蘇省昆山市の道路で傷害事件が起きた。その経緯はこうである。2人の男が乗用車で鉄道の駅へ急ぐ途中、渋滞の中で前方に1台のトラックが横から割り込んできた。それに怒った乗用車のドライバーが信号で停止中に車から飛び出しトラック運転手と口論の末、用意していたナイフで相手を刺した。幸い、致命傷にはならなかったが、この程度のことで人を刺すとはまさに驚きの出来事である。
「路怒症」で人を殺してしまうケースもある。昨年3月5日、甘粛省蘭州市の道路で、前方を走る乗用車のドライバー(Aとする)が携帯で話しながら運転していたため速度を落としたところ、後方の乗用車のドライバー(Bとする)が何度もクラクションを鳴らし、「速く走れ」と促した。そして、前方の車を追い越したとき、Aに罵声を浴びせたのである。
それに怒ったAは必死になってBの車を追跡した。そしてBの家の車庫まで追いかけて激しい口論となった。怒りが収まらないAは持ってきたナイフでとうとう相手を刺したが、刃を受けて死亡したのは、たまたま、この場に居合わせたBの近所の男であったという。
あるいは昨年6月8日、山東省青島市の道路で、ある男が運転する車が別の車と軽くぶつかってかすり傷を負った。男は相手のドライバーと激しい口論になり、頭に血が上った上、車から野球のバットを取り出し殴りかかった。しかし、そこで殴り殺されたのは何と、2人の中に割って入り、けんかを止めようとした別の男だった。