それ、知らない。年金未納の人が被るイタいデメリットとは?

 

世の中には年金破綻論を面白半分で煽る人が居ますが、その結果保険料なんて納めない! 免除もしない! っていう人が増えて、いざ何かあった時に生涯において何百万何千万と支給されたはずの年金が貰えない事態になる危険性があるわけです。上記の例みたいな障害年金請求や、または遺族年金請求の時に、もし、保険料納付期間が足りなかったから支給されませんでしたなんて事があったら悔やんでも悔やみきれないですよ。

屁理屈を並べ立てて、いかに破綻してるかという不毛な話で一体誰が幸せになれるんでしょうか。

破綻という話はそりゃあ収入(保険料)を超える支出(年金)を支払い続けるというのであればそれはヤバイですが、入ってくる収入の中で支出をやりくりしていけば年金制度の維持安定は決して不可能じゃない。家庭と同じですよ。

だから、平成16年の年金大改正で収入の中で年金給付を賄う改正がされた(それまでは将来の見通しを立てながら必要な年金を支払う為に5年ごとの財政再計算で、取らなければならない保険料を決めていた)。だから、年金(給付)と収入(保険料負担)が均衡する所まで持っていこうと今やってる最中なんですけどね^^;。これをマクロ経済スライド調整というんですけどね。

マクロ経済スライド(厚生労働省)

だって、これからも少子高齢化は続き、今は高齢化率27%ちょっとなのが2060年頃には40%になる見通しなんですが、入ってくる収入が固定されてるのに年金受給者が増え続ける状態をそのままにするのであればそれぞれへ分配する年金は減ってしまいますよね。

将来の年金額を確保するために、早く年金給付と保険料負担を均衡させようとしているんです。去年は、カット法案とか騒がれた時期がありましたが、これカットじゃなくて年金「確保」ですからね。

ちなみに去年の1年間の年金給付は約57兆円でしたが、年金の主な財源はもちろんその年に現役世代から支払われる年金保険料(今は約40兆円くらい)ですが、税金11兆円(この11兆円は基礎年金の22兆円の半分。基礎年金の半分を税金で支払うようにしてる)と、今現在150兆円程ある年金積立金から約5兆円前後補助的に支払ってるので、その年の現役世代が支払う保険料をそのまま年金受給者に支払うという賦課方式が取られてはいるけど、保険料+税金(国庫負担)+年金積立金で賄われているから正確には修正賦課方式と呼ばれる。税金が投入されてるのは、その分保険料負担が軽減される為でもある。

また、よく騒ぎになる年金積立金はあくまで年金支払いの補助的役割に過ぎない為、積立金の運用がマイナスになったからといって年金の支払いには直接影響が無い。賦課方式だから。

まあ、給付と負担が均衡する前に、今ある約150兆円がいきなり百数十兆円くらい吹き飛んだら多少影響はするでしょうけどね^^;。ちなみに、日本は年金積立金多過ぎ(年間年金給付の約3年分)だから平成16年の年金大改正の時に今後概ね100年間の間で給付と負担を均衡させるまでは、積立金も年金給付に充てながら1年分くらいまで減らそうって決められてた話なので、将来的に積立金が減り気味になってきても不安要素になるようなものではありません

破綻している年金制度はやめちまえ!で本当に撤廃したらどうなる?(まぐまぐニュース参考記事)

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【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

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