香ばしさが堪らない。今夜はネギとマグロで「ねぎま」の醤油焼き

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「ねぎま」といえば鶏肉と白ネギを交互に串にしたものを思い浮かべますが…、今回、無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』の著者でプロの料理人・gatugatu佐藤さんが紹介するのは、「ねぎ」と「まぐろ」を串に打ったほうの「ねぎま」のレシピ。最後に直火で軽く炙って焦げ目をつければ香ばしさ満点、お酒の肴に最適ですよ。

ねぎまの醤油焼き

佐藤です。今回のおすすめ料理は、酒の肴。「ねぎま」は知ってますよね。私は、料理の世界に入って数年間は「ねぎま鶏肉と白ネギだと思い込んでいました。当時、大阪の高槻というところに住んでいて、社長の家が会社の寮になっていて先輩たちと一緒にくらしてたんですね。で、日曜日が休みのお店でしたから週末の土曜日、仕事が終わって寮に帰るとみんなで近所の焼鳥屋さんへ直行します。ごく普通の焼鳥屋さんでしたが、働いているのは若い女の子だけ。オーナーさんが女性ということもあってちょっと変ったお店でした。そんなお店ですから、下心丸ダシの男のお客さんばかり。スケベそうな爺さんとかやんちゃそうな兄ちゃんが多かったです。

でも、オーナーさんのこだわりで焼き鳥はかなり美味しい。「タレ」がすごく美味しかったですね。で、タレ焼きの焼き鳥の中でも私のお気に入りは、鶏もも肉と白ネギが交互に串に刺してある「ねぎま」。白ネギの噛むほど出てくる甘味、鶏肉のジューシーな脂、そして甘辛いタレとが合わさって、最高のハーモニーを生み出しめちゃくちゃ旨い。葱系の料理が好きなので、たまらない一品でしたね。私は、それまで焼鳥屋さんに行くことがほとんどなかったです。なのでこの店で食べたのが初めての「ねぎま」。「これがねぎまいう料理なんだと信じきっていました

ですが、数年後…。お店でいろんな料理を学んでいた中で、ある時、おやっさん(お師匠さん)が今までに見せたことがない料理をメニューにのせました。刺身で食べられない程度に鮮度が落ちた中トロマグロと白ネギを交互に串に刺す。これを炭火焼にして、秘伝のタレで仕上げる。メニューには「ねぎま照焼き」と書いてあります。「ねぎま」=「鶏肉&白ネギ」と思い込んでいた私は「あれ?」と思いました。鶏肉&白ネギ=「ねぎま」が正しいならマグロを使った「ねぎま」ということで、おやっさんは「『マグロ』ねぎま照焼き」とメニューに書くはずと思ったからです。おやっさんには怖くて聞けなかったので先輩に、「ねぎまって鶏肉を使うんじゃないんですか?」。その先輩は優しい人だったので丁寧に教えてくれました。

白ねぎのねぎとまぐろの、『ねぎま』やで。知らんかったんか?」
「鶏じゃなくて、マグロや(笑)」
「ほんまは煮物にするんやけどな」

「料理を仕事にしている奴がそんなことも知らない…」と思うとめちゃくちゃ恥ずかしかったです。ま、でもここで教えてもらうことができたので、それ以上に恥をかくことはありませんでした。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」。これを意識していたわけではないですが聞いておいて良かったな、と思ってます。

そんな、思い出深い「ねぎま」が今回のおすすめレシピ。「ねぎまの醤油焼き」。マグロと白ねぎを串に刺し、これをフライパンで焼いて濃口醤油をたらして絡めるだけ。タレを作る必要はありません。濃口醤油そのままで味付け

これ、食べ方にポイントがあります。マグロは焼くとパサパサします。ですので、マグロと白ねぎを同時に口に含むことで、焼いて粘り気の出た白ねぎがパサパサ食感を抑えてくれます。で、「串が無い!」という場合は切ったらそのまま焼いてもOK。串に刺さなければ5~6分で完成します。焼き加減だけ気をつけて頂ければ串を刺した時と同じようにできます。久しぶりにこれを作って食べましたがやっぱり旨かったです。醤油の香ばしさがたまらないですね。

では、焼きムラが出ないようにする「コツ」と美味しさを倍増させる「調理法」を伝授した「ねぎま」レシピをご覧下さい。

レシピ

【材料】

  • マグロ…150g
    (びんちょうマグロを使ってますが、脂がのってるほどおいしいです)
  • 白ネギ…1/3本(60g)
  • 濃口醤油…大さじ1杯
  • 油…小さじ1杯
  • 竹串…17cmくらい、3本

1.白ネギは、2cm幅で小口切りにします(9カン)。

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2.白ネギの真ん中近くまで、斜めに切込みを入れます(熱を早く通すため)。

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3.マグロは厚みをできるだけ白ネギと同じにして、2cmの角切りにします(厚みが揃ってないと串に刺した時にフライパンに触れない部分がでて焼きムラがでるため)。

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4.串に刺します。

白ネギ⇒マグロの順で交互にさします。それぞれ中央に串を刺して平面になるようにします。

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5.フライパンを弱火にかけ、油を入れて全体似広げます。

30秒ほどしたら、焼き始めます(はじめから弱火で焼いて下さい)。

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6.両面約2分づつ焼きます。

熱の通り具合の目安は、マグロが真ん中まで白くなったらOK。裏返して反対面も同じように焼きます。ほんの少しマグロの中央がレアのままがベストの焼き加減です)。

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7.濃口醤油を全体にぶっかけます。

強火にして全体に醤油が絡まったらできあがり! 火を止めます。

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8.さらに美味しくするには、直火で軽く「炙って」下さい。

ちょっと焦げ目が付けばOK。香ばしくなって美味しいです。

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9.器に盛りつけて完成です。

一味唐辛子、粉山椒などふれば味のバリエーションが楽しめます。

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串が無ければ、切ったらすぐフライパンで焼けば同じように作れます。白ネギとマグロを同時に口に含んで食べて下さい。これが美味しく食べるためのポイントです。マグロと白ネギを準備して是非、作ってみて下さい。

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板前歴23年の元料理人が一人分レシピの和風料理を伝授します! 10分の酒の肴、20分以内の簡単おかず、などなど…仕事で忙しい料理初心者の 方でも、健康的でボリュームのある手作り料理がマスターできます!気楽に作れ て晩酌が楽しみになりますよ。 「言われた通りに作ってたら、一通りの料理ができるようになりました!」 メルマガ読者さんから頂いた一番うれしかった感想です。 丁寧な説明なので、あなたにもできますよ! 

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【著者】 佐藤 周生 【発行周期】 週3回発行(火・木・土)

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