「甘納豆」の発明者は江戸時代の武士だった?お菓子の意外な歴史

 

私のよく参考にする本、『たべもの日本史総覧』(新人物往来社刊)によれば、幕末から明治にかけ創始されたたべものもけっこう多い。

例えば...、1850年頃くるみ餅、1851年寒天、1854年頃栗ぜんざい、1857年海苔の養殖、1858年佃煮売り出し、1860年日本最初のパン店開業。1866年南京豆初輸入。1868年すき焼き、ラムネ、1870年ぶどう酒試作販売。佃煮など、ええっと思うかしれないが、思ったより歴史が浅いものだとわかったのである。

甘納豆には材料としていろいろな豆が使われるが、やはりより甘納豆に適した豆というのがあるだろう。私が食べたものの中で、甘納豆にはフィットしないのではないかと思ったのは、まあ好き好きはあるだろうが、黒豆、黒豆独特の味が残って私はどうも好きになれなかった。黒豆製の納豆というのも食べたがこれも同様の後味が残る。やはり黒豆が大豆の一種ということもあるのだろう。

ピーナツ・南京豆の甘納豆も、もうひとつ、どうだろう?という味だった。買ってまで食べる気はしない。小豆は、昔は甘納豆にしずらい豆だったらしいが、今ではりっぱに甘納豆化されている。ただ豆がボロボロ細かすぎて、食べづらい。ささげもちょっと細かいか。

後はみな甘納豆優等生。どの豆のものが好きかはそれぞれの好み。大正金時豆、とら豆、うずら豆、白いんげん豆、えんどう豆、白花豆、赤花豆。私は、軽井沢高原の赤花豆のものが最高に気に入っている。おいしさは格別だ。

ところで、大豆の甘納豆というのは見たことがないが、果たしてどんな味がするものだろうか。作れないことはないが、菓子の甘納豆としてはとうてい売れないというところではないだろうか。

甘納豆は、否、甘納豆的製法で作ったものはいくつかあるようだ。ポテトの甘納豆風なものを食べたことがあるし、ある高原のみやげもの店にはハスの実の甘納豆を売っていたので、買ってきて食べたことがある。けっこう自然でおいしかった。

甘納豆は純粋に豆と砂糖だけで作る菓子である。それだけに職人の技が製品に如実にあらわれる菓子であるという。

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団塊の世代以上には懐かしい郷愁の食べものたちをこよなく愛おしむエッセイです。それは祭りや縁日のアセチレン灯の下で食べた綿飴・イカ焼き・ラムネ、学校給食や帰りの駄菓子屋で食べたクジ菓子などなど。

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【著者】 UNCLE TELL 【発行周期】 月刊

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