障がい者が繰り広げるチンドンパフォーマンスに未来の可能性を見た

 

天然の「ぼけ」に突っ込みながら、支援者のメンバーは演者の紹介を展開する。総勢8人、センターでひと際活発に踊るダウン症の男性は「ダウン界の王子」と紹介され、キメのポーズ。そこに「ダウン症」を「どうだ!」と言わんばかりのプライドがあるようで、格好良い。テンポの良い音楽とともに、メンバーの障がい者が次々と紹介されていく流れも気持ちがよい。

さらに、獅子舞と達磨が登場し、「縁起物」が踊り、声高らかに「笑う門には福来る」。締めの女性支援者の口上が「本日はみなさま縁起がいい。100円を拾って帰るかもしれません」。すべてを笑いというオチにして、笑いを誘う。そんな進行役の女性支援者は「ほんまは、いつもバラバラで大変なんですよ」という真実をネタにして、観客はこの集団をまとめ上げるのは大変だと感心をしたところで、「今日も新幹線乗り遅れました」とまた笑いを誘う。

東京初登場の知的障がい者のチンドン屋さんは、フォーラムのプログラムには「ヘンテコお茶目なチンドンパフォーマンス」と書かれた。文部科学省という教育政策を担うお堅い役所が「おかしなチンドン屋さん」を紹介するのも面白いが、演者たちは文科省であろうが、渋谷であろうが、目の前の観客が楽しんでくれることに楽しみを見出しているようだ。

このパフォーマンスに新しい可能性を見た私は、本日の時点では最初の印象だけでこの文章を書いているが、早速和歌山に行き、彼らの活動を間近で見たいと思う。そこから何が見えるのか、分かるのか、楽しみだ。

image by: 社会福祉法人一麦会 Po-zkk 公式HP

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特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

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