なぜ日本のメディアは「重要な中東情勢」をちっとも報じないのか

 

ISは再度大規模な攻勢をかけるために「戦闘員」を呼び戻す前に、hit and run戦略とでも呼びましょうか、テロ事件を拮抗する勢力群(トルコ+イラン組とサウジアラビア+イスラエル組)双方に仕掛けて、恐怖を拡大しています。

両陣営で自爆テロ事件や攻撃が相次ぎ、連日多くの死者が出るにつれ、ISの仕業ではないかとの疑いは囁かれる中、それよりは、相反するグループによる犯行ではないかとの非難合戦が激化してしまい、一触即発の緊張が高まってきているようです。

レバノンをはじめとする地域各国に散らばっている交渉チームのメンバーたちによると、ハンドリングを間違えて、両陣営の間に偶発的な衝突が発生した場合、全中東地域を巻き込んだ大戦争に発展する可能性があり、それは中東和平の終わりを示すだけではなく、じわじわと復活しているらしいIS勢力の拡大を助長する恐怖への後戻りに繋がる恐れが感じられるようになってきています。

そうなった場合、第1次世界大戦後に人為的にひかれた国境線はすべて消され、再びアラビア半島は混乱に陥ることになるでしょうし、過去と違い、過激なISによる支配に繋がる可能性が高まります。

ではどうすればいいのでしょうか?

過ちの始まりがアメリカやロシア、欧州各国など地域外の大国の介入であったことに鑑みると、それらの国々の再介入は問題の根本的な解決にはつながりません。大事なことは、今、反目しているアラブ・中東地域の両陣営が、一旦、互いへの攻撃と非難を止め、共通の敵であり、同時に世界の敵とも考えられるISとその仲間たちと対峙し、恐怖の再侵攻を食い止めるために協調して、漏れのない対応を取ることが必要となります。

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