急成長を続けるインドが抱える「諸刃の剣」と大きな賭け
政権が安定し、これから大きな発展を遂げると予想されるインドですが、国民の年齢構成は日本と全く違い25歳以下の若い人が人口の半分を占めます。それは大きな発展の原動力にもなりますし、逆にもしこの若い層が大量に失業することにでもなると社会不安が増大するという両刃の剣でもありますが、それを決めるのが経済発展です。
インドは1990年代中盤から経済成長率が5%から8%に上がり、大きく成長しました。インド人民党の成長戦略が成功しましたが、今後も7%以上の成長を保つことができたら、大量の若者は産業に吸収され、さらに発展しますが、GDPが延びなかったら逆に失業が増えるので、経済が停滞するでしょう。
さらにもう一つのギャンブルがあります。中国もここ20年で経済大国になりましたが、中国は「外需依存型経済」で、外国の技術で中国国内に工場を作り、製品をアメリカに売り、ドルを手にしてそれを共産党幹部で分け、一方では中国国内で外国の企業が儲けた「元(中国通貨)」は、国外に出してはいけないという規制があり、仕方がないので外国企業は中国に再投資するという自由な金融に違反する制度で、安定した経済発展を遂げてきました。
これに対して、インドは「内需型」で国際慣行を守る誠実な国なので、現実にインドに工場などが建設されて、そこでインド人が働き、その給与でインド製の工業製品を買うようにならないと成長は躓きます。つまり、「まともな発展」が必要なのです。(メルマガより一部抜粋)
image by: sladkozaponi / Shutterstock.com