この学校のいじめは、子供がやったいじめではなく、立派な社会人が行ったものです。未成年であれば、罪の軽減もあります。大人がやれば、「犯罪」であり、逮捕もされるのです。なぜ、警察は動かないのでしょうか。「教師」は、子供たちの手本とならなければならない職業です。本来、道徳的にも、自覚的にも、社会的な責任は、一般人よりも高くて当然ですし、そんな地位や責任を持つ大人が犯罪を犯したら、罪を償わなければならないのは当然です。
しかるに、この事件をみていると「学校は治外法権」と言っているように見えます。悪いとわかっているのに「謹慎」ではなく「有給休暇」とは情けないものです。
警察は、犯罪者を野放しにしてはなりません。車の屋根に乗るとかの器物損壊罪や、「ボケ」「クズ」「カス」という侮辱罪は親告罪ですから、被害者からの告訴がなければ、起訴できません。しかし、ミミズばれなどのけがを負わせる傷害罪や、わいせつメールの強制や無理やり激辛カレーを食べさせたなどの強要罪は、
親告罪ではありません。したがって、被害者の告訴がなくても、警察は事件として立件することができるはずです。
このような動画まで公開されてしまっている中で、「被害届がないから」と放っておくのはいかがでしょうか。警察は、被害届を待つのではなく、ましては学校長や、教育委員会の顔色をうかがうのではなく、すぐに捜査すべきです。もしかしたら捜査しているのかもしれませんが、そのような情報はまだ届いておりません。
「犯罪を犯したら警察が来るんだ」ということ、子供たちには示してあげることが大事です。それが子供たちの将来、未来を守る防波堤になるからです。犯罪を見逃してしまったら、「教師なら犯罪を犯しても許される」というとんでもない暗黙のルールが成り立ってしまいます。法治国家である日本に、そのような「忖度(そんたく)」は許されないと思うのです。「大人の事情」を小学生に押し付けてはなりません。
警察関係者は、「善悪を守る番人」としての責務を果たしていることを私たちに示していただきたいものです。その姿勢は子供たちに伝わり、子供たちの正義感を育み、社会性を身につけることになります。やはり学校は正義が支配する空間でなければなりません。
改めて、今、秋です。秋には子供たちの行事が盛んです。その中で、小さなヒーロー、ヒロインが生まれてきます。そして、それを嫉妬する子がいます。そこに、いじめが生まれることがあります。「嫉妬するのではなく、祝福することが大事なんだ」と子供たちに伝えてあげてください。いじめになりそうでしたら、早めにご相談ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
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