開幕が迫る全人代
世界的な広がりを見せる中、中国の首都・北京市は春節(旧正月)連休のUターンラッシュに戦々恐々としている。連休が2月2日まで延長され、国内外に散らばった約2000万人の帰京がこれから本格化し、人から人への感染が広がることを懸念。抑え込めなければ、3月の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)など政治日程に影響する可能性もあると時事通信は伝えている。
本来なら連休最終日だった30日、映画館やレストランは軒並み休業。普段は大勢の人でにぎわう商業施設は人影もまばらで、自慢の大型ディスプレーは「マスク着用、手洗い励行、集まらない」など感染対策の標語を繰り返し映し出している。
北京の鉄道部門は28日から約1カ月間で、高速鉄道を含む130本以上の列車を臨時運休。中国政府は29日、「感染者を多く出している地域から社員をすぐに戻さないよう企業に指導する」ことを決定した。何とかUターン客を抑制しようという狙い。31日からは地下鉄全駅で利用者の体温を測定するという。
北京では2月に予定されていた2022年北京冬季五輪の「開幕まで2年」イベントや、アルペンスキー・ワールドカップの中止が既に決定。年に一度の重要政治イベントである全人代の開幕は3月5日に迫る。「(全国政治協商会議と合わせ)5000人が全国から集う会議を予定通り開けるのか」党関係者からは危ぶむ声も出ていると記事は伝えている。