アビガンが早期に承認されない理由
NHKによると、レムデシビルはアメリカやドイツで承認に向けての動きが先行していて、トランプ大統領も「安全にやってほしいが、できるだけ早く承認してほしい」と近く承認される予定。実はこれが重要で、薬の特例承認を行うには、海外で承認された薬が前提となるからだ。
レムデシビルはこれに合致するため、特例承認を受けることができ、早ければ5月中にも、初の新型コロナウイルス治療薬として承認される可能性がある。
一方、アビガンは日本国内で開発されているため、通常の審査を受けなければならない。アビガンは3月末から治験が始まったばかりで、終了予定が6月末。その後、データ解析をし、申請をして審査という流れになると、早くても承認されるのは年内いっぱいということになりそうだ。
毎日新聞によると、28日に行われた菅義偉官房長官の記者会見でも、「国際共同治験を実施してきたレムデシビルは間もなく薬事承認が可能になる見込みだ」とするも、「特例承認制度は海外で販売が認められるなど一定の要件を満たす医薬品が対象で、海外で新型コロナウイルス感染症に関して販売が認められていないアビガンに適用することは困難な状況だ」と新薬の特例承認制度を巡って説明している。
新型コロナウイルスの治療薬については、各国でよりスピード感を持って承認対応をしている。日本でも加速してきた初の治療薬承認に向けた動き。まずはレムデシビルが先頭を切って、5月中に薬事承認される見通しだ。