なぜアビガンはなかなか新薬承認されなかったのか?
PCR検査だけじゃなく、新型コロナの治療自体においても、厚生労働省の「妨害工作」はあります。その最たる例が、アビガンの新薬承認の遅れです。アビガンというのは、日本の富士フィルムが開発した新型インフルエンザの治療薬です。
このアビガンは、世界各国で新型コロナの治療に使用され、有効性が認められているものです。
また日本でも、宮藤官九郎さんなどの新型コロナ感染者がアビガンを使用することで劇的に症状が完全したことを明らかにしています。
日本政府は、新型インフルエンザの流行に備え、このアビガンを70万人分備蓄していました。もしアビガンが有効な薬なのであれば、これを使用することで新型コロナ治療が大きく前進するはずです。
にもかかわらず、アビガンは2020年6月1日現在、新型コロナの治療薬としての承認は受けていません。治療薬としての承認を受けていないとどうなるかというと、治療薬としては使えないということなのです。
今もアビガンは新型コロナ治療の現場で使われていますが、アビガンの投与は、治療ではなく、「観察研究」「臨床研究」「企業治験」ということになっているのです。つまり、実験段階として使っているに過ぎないということなのです。
このアビガンを医療機関が使用する場合、藤田医科大の研究班や国立国際医療研究センターの研究班による観察研究に参加する必要があるのです。ざっくり言えば、アビガンは今現在も使えないわけではないが、使える病院はアビガンの観察研究に参加しているところに限られるのです。だから、いざとなったときにどこの病院でもアビガンが使えるというわけではないのです。
アビガンを使用するには面倒な手続きを経なければならず、機動的、即効的に使うことは難しいということです。またアビガンを使う際には、患者の同意も必要となります。だから意識が朦朧としているような患者、意識が飛んでしまっている患者には使えないわけです。
3,000人に投与して「効果が不明」とはどういうことだ!
アビガンは現在、日本で3,000人以上の新型コロナ患者に投与されています。厚生労働省お抱えの医者や評論家などは、規則の細かい臨床試験などの少ないデータを持ち出して「アビガンの有効性はまだ証明されていない」「だから簡単に承認できないのだ」などと主張しています。
が、日本ですでに3,000人以上投与されているのだから、有効かそうでないかは、どういう副作用があるかなどはざっくりでもわかっているはずです。もし本当に「有効性がわかっていない」のであれば、「有効性が確認されていない、身体に決して負担が少なくない薬を3,000人に投与した」ことになります。そういう薬を3,000人への投与を許すというのは、あまりに無責任なことです。
アビガンがなかなか新薬として承認されない一方で、アメリカの製薬メーカーがつくった「レムデシビル」は、非常に短期間で特例承認されました。レムデシビルはもともとはエボラ出血熱のために研究開発された薬で、重篤な新型コロナ患者に有効性が認められています。
「特例承認」というのは、海外で販売(使用)されているような薬で緊急性がある場合には、通常の手続きを経ずに新薬として承認するという制度のことです。
ここにも、日本の官庁の欠陥が如実に表れているといえます。日本の官庁は、国内の業界に対しては鬼のように厳しいのですが、アメリカから言われれば簡単に折れてしまうのです。
アビガンもこの特例承認をしようと思えばできるのです。「レムデシビル」は海外で有効性が確認されているとはいえ、日本での使用数はまだ50件ほどしかありません。アビガンの3,000件の使用例とは比べ物にならないのです。
薬の有効性や副作用のデータなどは、アビガンの方がはるかに蓄積されているの
です。特例承認するのであれば、どう見てもアビガンが先なのです。