一触即発の朝鮮半島。唯一巻き添えを食う可能性がある日本の運命

 

日本は交戦権を放棄しているため、自衛のための先制攻撃も行えませんが、何らかの形で“流れ弾”が飛来した場合、自衛権を発動しなくてはなりません。しかし、同じく今週大きな話題になりましたが、防衛相(省)は急遽、建設を進め、並行してアメリカとの契約も進めてきたイージス・アショア配備計画を実質白紙に戻す決定を行いました。

この突然の方針転換には、いろいろと紆余曲折があったかと思いますし、その詳細は知る由もありませんが、本件を単発で観た場合には、何かポジティブな雰囲気を感じるのですが(実際に山口県と秋田県は安堵した様子)、ここまでお話ししてきた内容を踏まえると、日本国の国家安全保障上、今この時期にするべき話だったのか?との疑問が湧いてきます。

まあ、イージス・アショアが短期間に稼働するという事態ではないので、もし朝鮮半島情勢が近々爆発するような際には配備しても間に合いませんが、今一度、今回の騒動と脅威を機に、安全保障体制について熟考し、迅速に実行に移さなくてはならないかと考えます。

コロナ渦で最近まで手薄になっていたアメリカ軍による防御網や、日米韓の足並みの乱れが目立つ中、一気にエスカレートし、開戦の可能性がこれまで以上に現実化してきた朝鮮半島情勢を目の当たりにして、どのような現実的な対応を行うのか。大きな課題と必要性に直面しているのではないかと懸念しています。

いろいろとお話しできない内容の情報もたくさんあり、また信頼できるかどうかの判断ができないような内容も多々あるため、明確にお伝え出来ないこともあり、読まれていてもどかしくお感じかもしれませんが、一言言えることがあるとしたら、日本のメディア、特にワイドショーが伝えるような呑気な状況では決してないということです。

恐らく今回、お伝えした内容については、いろいろなご批判もあるかと思いますが、ぜひ、『有事の際、自分はどう動くか』について今一度考えていただくきっかけになればと願います。コロナ渦の影響がまだまだ収まらない中、不安な日々が続きますが、考えることを止めずに日々生きていたいと願っています。

 

image by:Alexander Khitrov / Shutterstock.com

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