「荒れるハンデ重賞」で万馬券のチャンス?狙い目は…
1896年に開場した函館競馬場は日本で現存する最古の競馬場。そのなかでも半世紀以上の歴史を誇る伝統のハンデキャップ重賞が、今週末に函館芝2000mで行われるG3函館記念だ。サマー2000シリーズの第2戦にも位置付けられており、夏の中距離王を目指す猛者たちが北の大地に会することになる。
過去10年、出走馬の約3割が巴賞(オープン・函館芝1800m)からの臨戦で、昨年は同レースから挑んだマイスタイルとマイネルファンロンが1・2着で入選を果たしてみせた。ただし、前走函館芝1800mで5着以内に好走していた馬は「0-1-1-29」と苦戦傾向にあり、特に巴賞の勝ち馬は毎年上位人気に推されながらも案外な結果が続いている。一方で、6着以下に敗れていた馬は「1-4-1-22」と巻き返す傾向にあることも併せて覚えておくべきだろう(以下のデータはいずれも過去10年)。
また、枠順も良し悪しが分かれやすく、馬券内に好走した30頭のうち、勝ち馬9頭含む20頭が1~4枠を引いており、5~8枠からの優勝例は2017年のルミナスウォリアー(6枠12番)に限られる。なお、内枠優勢ではあるものの、最内の1枠は29年も勝ち馬を出せておらず、最も勝利から遠ざかっている枠順であることは気に留めておきたい。
上位人気と目される(1)レイエンダは、全兄がG1日本ダービーなどG1を2勝したレイデオロ、近親にディープインパクトがいる良血だが、競馬に対する気性面の課題が大きいタイプ。レース傾向としても1番人気に過度な期待は寄せづらく、昨年の好走自体が実に9年ぶりのことだった。
約2年ぶりの復帰戦で好内容を示した(8)ベストアプローチは、世界的な大馬主ゴドルフィンが有する血統馬。先述の通り、前走は巴賞で6着と掲示板を外していた点で興味深く、去勢明け、転厩初戦であったことを踏まえても、2戦目の上積みが見込めるだろう。
ほか、リピーターが目立つ傾向からも警戒したい(16)マイネルファンロン、前走巴賞では1番人気の支持を集めた(9)レッドサイオン、勝浦騎手とのコンビ再結成で復活を期する(13)ニシノデイジーなど、確たる中心不在で混戦を呈する。
【函館記念】7月19日函館、G3・芝2000m、フルゲート16頭 発走15:25 サラ系3歳以上 オープン(国際)(特指)ハンデ
得手不得手の出やすい小回りコースのハンデキャップ重賞ということもあり、何かと一筋縄ではいかない函館記念。馬券的には波乱の目に期待した穴狙いも一興だろう。
text: シンヤカズヒロ
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