Microsoftの狙いはキャピタルゲイン
私が予想するに、これはMicrosoftにとって戦略的な買収ではなく、買収後も独立した会社として運営し、1~2年以内に、売却もしくは上場させるという、キャピタルゲイン狙いの買収でしかないと思います。そう考えれば、出来るだけ安く買い叩いた方が良いし、「キャピタルゲインを得た後に、その一部を渡す」という形でリスクを減らすことさえ可能です。(具体的には、「$5 billionで買収し、2年以内にキャピタルゲインを得た場合には、そのゲインの30%を渡す」などの契約です)。
Microsoftは以前にも、戦略的ではないサービスとしてExpediaを別会社として切り離して上場させたことがあるので、TikTokに関しても同じようなことをする可能性が大きいと私は思います。
ちなみに、買収後にTikTokのサービスをMicrosoft Azure上のサーバーに乗り換えておくことは当然やると思います。エンタープライズ向けのクラウドサービスでは健闘をしているMicrosoftですが、コンシューマー向けではAmazonに大きく離されています。TikTokの規模のサービスをAzureで運営することは、実績としても重要だし、別会社として切り離した際には、重要な顧客になってもらえます。
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