65歳になると遺族年金が減ったり増えたりするのは何故なのか?

 

1.昭和29年4月5日生まれの女性(今は66歳)

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18歳の時にサラリーマンの男性と婚姻し、その後20歳になる昭和49年4月を迎えたが国民年金には加入しなくても良かったので加入しなかった。20歳以降の期間は加入しなければカラ期間にはなる。昭和49年4月から昭和61年3月までの144ヶ月間は加入してこなかったが、昭和61年4月から専業主婦も強制加入となった。国民年金は20歳から60歳までの40年間完璧に保険料納めれば満額の781,700円が支給されるが、納めてない期間はその分減額される。

さて、昭和61年4月から60歳前月の平成26年3月までの336ヶ月間(28年間)は完全に年金保険料を納めた。その間、サラリーマンの夫が死亡して遺族厚生年金60万円と中高齢寡婦加算586,300円の合計1,186,300円を貰う事になった。その後65歳を迎える事になる。65歳になると国民年金から老齢基礎年金が支給されるので計算する。

・老齢基礎年金→781,700円÷480ヵ月×336ヵ月=547,190円

さらに中高齢寡婦加算586,300円は消滅するので、遺族厚生年金60万円+老齢基礎年金547,190円=1,147,190円になり、なんと年金総額が下がってしまった。じゃあ老齢基礎年金30年分に足りない分はどうするかというと、この女性の場合は2年分足りないので2年分を加算する。これを「経過的寡婦加算」という。

・経過的寡婦加算→中高齢寡婦加算586,300円(老齢基礎年金の30年分ですね)-781,700円÷480ヵ月×336ヵ月(昭和61年度から自力で納めれた保険料に対して)=39,110円

そうすると65歳からの年金総額は遺族厚生年金60万円+経過的寡婦加算39,110円+老齢基礎年金547,190円=1,186,300円となって65歳前と金額が一致する事になり損をしない。

年金総額は変わってないんですが…、遺族年金の額が大きく減ってるからここで受給者の人は通知物を見て「遺族年金がすんごい下げられた!(怒)」となってしばらく説明が必要となる…(笑)。

※ 追記

昭和61年3月以前はサラリーマンや公務員の専業主婦は国民年金に加入する必要は無かったが、任意加入した人はその分の年金は貰えるので、65歳になると65歳前よりも総額が増額する人もいる。

逆に納めるのをあまりやってなかった人は65歳以降の年金額が下がる人もいる。

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年金アドバイザーのhirokiと申します! 年金は国民全員にとってとても身近なものであるにもかかわらず、なかなかわかりづらくてなんだか難しそうなイメージではありますが、老齢年金・遺族年金・障害年金、その他年金に関する知っておくべき周辺知識をご紹介します。 最新情報も随時お届けしています。 ※まぐまぐ大賞2016「知識・ノウハウ部門」2位受賞、2017年まぐまぐ大賞メディア部門MAG2NEW賞12位受賞、2018年まぐまぐ大賞知識ノウハウ部門5位受賞。 まぐまぐ殿堂入りメルマガ。

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【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

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