でも、ある時ふと思ったそうです。このまま目が見えていた頃の自分と、今の自分を比較し続けても仕方ない。今の自分を「本来の姿」として受け入れて、そのなかで最大限、幸せに生きよう、と。そう思ったからといって、具体的に何かが変わったわけではないそうですが、「これが本来の姿」と受け入れることで、目の前の世界がガラッと変わったとのこと。
朝、出勤の時に感じる季節の風、ご近所さんとの何気ない挨拶、駅前の情景から見えてくる世間の移り変わり、帰宅中に子どもにシュークリームを買ったり奥さんに花を買って帰ること…etc.
「自分はダメになってしまった」「以前に比べて不幸になってしまった」と思っていた頃は気づかなかったけれど、「これが本来の姿」と受け入れることで、目の前にいろんな幸せがあったことに気付いた。目が見えなくなったことが問題なんじゃなくて、失ったものばかり考えていて目の前のことが見えなくなっていたことが問題だった、…ということを言われていました。お酒を飲んでないのに、目を赤くして熱く語っておられたのが印象的でしたね。
長い人生の中で、自分自身が変わること、あるいは自分を取り巻く環境が変わることって必ずあると思います。変わる時に必ず伴うのが「今まで持っていたものを失う」ということです。失って初めてわかるありがたさ、とも言ったりしますが、状況が変わることで「前は〇〇があったのに!」と失ったものばかりに目がいったり、そのことばかり考えてしまうことはないでしょうか。そのせいで、せっかく素晴らしいものが目の前にあるのを気づかなかったり…。
でも、状況を受け入れた途端に目の前にある素晴らしいものが見えてきた経験はないでしょうか?これをお読みのあなたは、どんな変化の時に「これが本来の姿」と受け入れたことがありますか?
★まず私からあなたにこの言葉をお届けします
「本来の姿とは、いつの姿ですか?」
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