トランプ氏自身はまだ選挙結果を覆す気でいるかのように見えるが、政権移行は既に始まっていて、いずれは認めざるを得ないところに追い込まれている。各州での裁判闘争もほとんど奏功していないようだから、12月14日の選挙人による直接投票を境に、本人も選挙結果を認め、諦めることになるだろう。
いや、既に諦めてはいるものの、大統領の地位を失った直後に動き出すかもしれない、自らに対する司法手続きをなんとか止めたいという狙いで、恩赦を出しているのかもしれない。それが彼にとって何か良い結果を生むのか否かは分からないが。
【サーチ&リサーチ】
「恩赦」に関する記事は米大統領絡みだけとは限らないが、《朝日》のサイト内20件のうち、最も古い2019年の記事は、丁度1年前、ホワイトハウスでの「七面鳥恩赦式」に関する以下のニュースだった。
2019年11月27日付
「トランプ氏は「ウクライナ疑惑」で弾劾(だんがい)調査を受けていることを引き合いに、七面鳥も議会から召喚されたなどとジョークを飛ばした」という。「民主党は私が七面鳥に優しすぎると非難している」とも。
*日本の恩赦に関しては、「再審請求中の袴田巌さんに特別恩赦適用を求める声」の他、以下のような記事があった。
*天皇即位に合わせて前年10月に実施された恩赦では「子どもへの性加害」を行ったものを除外しなかった。子どもの性被害者を支援するNPOが森雅子法相に対し、次回からは対象外にしてほしいとの要望を伝えた。
*「戦後、フィリピンに収監された日本人戦犯の赦免を求めて、同国の大統領に嘆願書を送り続けた安来市出身の画家、加納莞蕾(かんらい)」の紹介記事も。
●uttiiの眼
フリン氏については、5月に司法省に訴追を放棄させるという形で「救出」しようとしていたが、裁判所が認めなかったのでトランプ氏の企ては成功せず。公判が続いていたところ、トランプ氏としては仕方なく、「伝家の宝刀」を抜いて直接恩赦を与えることになったのだろう。いずれにしても呆れるほど露骨な行為と言わねばならない。
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