選手のプライベート情報をふんだんに入れ込むなど、独特なマラソン解説が人気の増田明美さん。しかし、競技引退後に初めて務めたラジオパーソナリティの仕事は散々なものだったそうです。そんな彼女に飛躍のきっかけを与えてくださったのが、パーソナリティの大先輩、永六輔氏。彼は増田さんに、どんなアドバイスを授けたのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』で、増田さん自らが語っています。
前を向く力が湧いてくる話──増田明美さんが語る
スポーツジャーナリストやドラマのナレーターなど幅広く活躍する増田明美さん。マラソン選手を引退し、スポーツライターとしてスタートした28歳の時、心の支えとなった人物が作詞家の永六輔さんでした。
『致知』最新号では、当時のいろいろな失敗談を交えながら、永六輔さんとの思い出を語っていただいています。
1992年28歳で引退し、第2の人生をスポーツライターとしてスタートしました。半年後にラジオのパーソナリティのお声が掛かり、挑戦することに。
ところが最初は「結納」を「けつのう」、「門松」を「もんまつ」などと幼稚な読み間違いを重ね、リスナーの方から小学生用の国語辞典が送られてくる始末でした。
そんな私がいま、スポーツ解説やナレーションなどで活躍できるようになったのは、永六輔さんのおかげです。同じ局で番組を持っていらっしゃった永六輔さんは、失敗を繰り返して落ち込む私を気に掛け、いろんな話を聞かせてくださいました。
永さんの語りが大好きだった私は、「どうすれば永さんのように、風景や匂いが伝わるような話ができますか?」と聞いてみました。その時永さんからいただいたアドバイスは、いまも私の仕事のベースになっています。
「自分が会いたい人、興味のある事柄については現場に行きましょう。五感で感じたことを、ありのままに自分の言葉で話すといいですよ」
「取材というのは材を取るって書くでしょ。だから人前で話す時は、元になる材料を仕入れておかなければいけません」
1993年に初めて世界陸上の解説という大役をいただいた時、私はそのアドバイスをもとに、事前に出場選手を徹底取材して得た情報をフルに活用して本番に臨みました。
それをご覧になった永さんからいただいた「増田さんの解説は金メダルだ」という言葉は、一生忘れることはありません。
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