何故なら、今回の変異種は、イギリスでは9月から広まり始めていたからです。最初は1つだった変異種は、感染を繰り返しながら増えて行くので、9月から10月に掛けての感染者は僅かでした。しかし、11月の半ばにはロンドンの感染者のうち28%が変異種の感染者となり、12月9日には62%と急増しました。この推移を見ただけでも、感染力の高さが分かります。世界中に広まりつつある変異種、日本は大丈夫なのでしょうか?「ジャパンライフの広告塔」こと官房長官の加藤勝信は、21日の会見で次のように述べました。
「国立感染症研究所によると、わが国において同様の変異をしたウイルスは確認されていない」
しかし、日本の検査数はOECD加盟国36カ国の中で35位です。EU諸国が1,000人中25~135人も検査しているのに対して、日本は1,000人中わずか1.8人しか検査していません。これだけしか検査せずに「確認されていない」と言われても、変異種の感染者がゼロという根拠にはなりません。また「歩く他人事」こと官房長官の加藤勝信は、イギリスからの入国者に対する水際対策について、次のように述べました。
「英国からの入国については、我が国は元々英国を上陸拒否の対象国にしている。特段の事情のない限り、新規入国は原則禁止としている」
さすがは「歩く他人事」、この人って本当に何も考えていませんね。世界中で感染が拡大し、多くの国々が入国規制を強化している中、日本は逆に、中国や韓国や台湾など11カ国・地域からPCR検査なしで入国できるという規制緩和を続けているのです。つまり、イギリス人やイギリス滞在者が、こうした第三国を経由して日本にやって来るという可能性をまったく考えていないのです。事実、英国籍の人は、10月だけで330人も日本に入国しているのです。
いくら自民党政権にとって国民の命より目先の経済のほうが大事だとしても、国内の感染が拡大する中で「GoToキャンペーン」を強行したり、世界中に変異種が広まりつつある状況下で入国の規制緩和を続けたり、もはや正気の沙汰とは思えません。ま、使い物にならない布マスクを2枚配るだけで3カ月以上も掛かるのですから、そもそも自民党政権には何も期待していませんが、新型コロナの変異種ならぬ『進撃の巨人』の奇行種のようなガースーおじさん、せめて感染拡大に拍車を掛ける奇行だけは自重してください。
(『きっこのメルマガ』2020年12月23日号より一部抜粋・文中敬称略)
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