非常に強く有効な立場にある日本
1月20日に就任するバイデン新大統領は、いきなり、大変な世界と混乱の国内状況に直面し、迅速かつ確実な対応を求められることになります。
そのバイデン氏が率いるアメリカ合衆国と、すでにアメリカを凌ぐレベルにまで発展してきた習近平氏の中国の間の反目は確実に激化すると思われます。
通常の国際情勢であれば、2国間での話し合いによる歩み寄りや、世界情勢のグランドデザインの中でのバランシングなどで解決の糸口を探すことになりますが、コロナのパンデミックの折、特にアメリカでは国内での感染拡大の阻止と、経済の立て直しを最優先課題として扱う必要があるため、同盟国を巻き込んだアメリカ陣営と、国家資本主義体制を率いるチーム・中国との間のコマ取り合戦は、もしかしたらしばらくは中国が優勢かもしれません。
その中国も経済力が発展し、国が大国化してくるごとに、国内からの突き上げが強くなり、国内の統制を維持することがより困難になるため、反動で対外政策において強権化してきているという副作用を呈しています。国内の止まらぬ“もっと”という欲望を満たすために、一帯一路政策を通じて、どんどん海外に中国人を出して、目先を変えているという苦肉の策を取っているのだと分析しています。
2021年の中国は、より一層、この傾向が強まるでしょう。中国共産党の台湾への関心がより高まり、もしかしたら、アメリカがフルに立ち直っていない間に、攻撃を実施する方向に傾くかもしれません。
世界・国際情勢におけるパワーゲームの行方と、国際社会の形状は、コロナのパンデミックがいつ収束するかに大部分が影響を受け、先が見えづらい状況にあります。そこにトルコやロシアの台頭が顕在化し、イランとイスラエルが仕掛けるハイブリッド戦争の激化が進むと、世界は一触即発の状態になるやもしれません。
実はこのような状況にあって、本来、非常に強い立場・有効な立場にあるのが日本なのですが、それに気づいていらっしゃるリーダーはどれだけいらっしゃるでしょうか。
今回、混乱の2020年を振り返るという意味で、本当に思いつく限りいろいろと書いてしまい、取り留めのない、またまとまりのない話になってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
皆さんにとっての2020年について、ぜひお聞かせください。
また2021年、皆さんと国際情勢についていろいろと議論できることを楽しみにいたしております。
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