迫りくるいくつもの期限
《2月28日》
2月28日もしくは3月7日の「緊急事態宣言」再延長。2月7日の延長の際にどれほどの追加措置を発動し、それがどれほどの効果を上げたかによるけれども、再延長となると支持率急落は免れない。
《3月11日》
3.11東日本大震災/福島第一原発事故から10周年。安倍は原発事故は「アンダー・コントロール」と世紀の嘘をついて東京五輪を誘致した。ところが汚染水はどんどん増え続けていて、もはやタンク貯蔵も限界に達しつつある。トリチウム混じりの汚染水を海に放出するというのが政府方針だが、それは福島漁民の許容するところではなく、これには出口がない。これに加えて、1月31日、4号機のすぐ横の作業用建屋2棟の地下に投入されたゼオライト土嚢が劣化して超高濃度の放射線量を持つ物質が流れ出しているという新たな困難が明るみに出た。これを取り除く方法は見つかっていない。福島原発が「アウト・オブ・コントロール」に陥っていることを示すこれらの問題は、五輪を控えて内外のメディアで改めて取り上げられ、安倍と菅の嘘が改めて浮き彫りとなる。
《3月25日》
聖火リレーが福島からスタートする。菅政権としては、東京五輪は必ず行われるという“希望的観測”を掲げ続けなければならないので、何が何でも聖火リレーを出発させるだろうが、おそらくそれまでに緊急事態宣言は解除されておらず、派手なイベントや沿道での応援もなしの無観客で行われる公算が大きい。7月23日開会式までの121日間、テレビはひたすら中継を続け、それを観て国民はますます意気消沈していくのではないか。かといってリレーを中止すれば、その時点で政権は命脈が尽きる。
《4月25日》
参院長野選挙区補欠選挙。コロナで亡くなった羽田雄一郎=元国土交通相の後を弟の羽田次郎が襲う。羽田孜=元首相以来「羽田王国」と呼ばれる長野であるし、前回19年の選挙では雄一郎は共産・社民の支持も得て51.2万票を得て自民党の小松裕に14.5万票差をつけて当選しているので、同じ小松を相手に次郎が負けることはまずない。同時に行われるはずだった衆院北海道2区補選は、タマゴ汚職の吉川貴盛=元農相の辞職によるもので、自民党は負けるに決まっているので立候補を見送り不戦敗に逃げた。もう1つ、巨額買収事件で1月21日に東京地裁で有罪判決を受けた河合案里=参議院議員が3月15日までに辞職した場合は、やはり4月25日に補選となる。広島県は7つの衆院選挙区のうち6つを自民党が抑える圧倒的保守地盤なので負けることはないだろうが、河井夫妻の無茶苦茶の後では何が起きるか分からない。