まず第一に、先ほどもお話ししましたとおり、今回の当方の主張は、政府のアホさによって、店が潰れて人が死ぬ、っていう話なわけです。だから、もしそれが正しいとしたら、トンデモ無くヤバイ話なわけです。
いわば、目の前で殺人事件が正に今、起こりつつあり、それを目撃した僕が、電話を持っている人に対して「今、人が殺されかけてる、その電話で警察を呼んでくれ!」と叫んでるのに、僕の話を何も理解しようとしないで、「藤井さんの話は難しいですねぇ」だとか「そういうのが分かるのは、藤井さんが頭がいいからですよ」だとか「藤井さんはそう思うんですね」と返事してるのと何も変わりません。
結局、そんな対応をしていれば、殺人事件は成就し、実際に目の前で人が殺されてしまうのです。こういう状況では、当方は、そのニタニタして僕の話を理解しない人を、殺人者と同じような輩だと思っても仕方ないように思います。
第二に、会話において人の話を理解しないのが当たり前だ、ということが成立している世の中って言うのは、結局、誰もが誰もと人間関係を成立させることが不可能になる、という意味において、相当に深刻です。
例えば、その弊害の一つが、上記の殺人事件の目撃者の話ですが、それに限らず、人が人の話を理解しないことが前提となれば、どれだけ悩みを打ち明けても、死にかけてるから助けてくれと切実に訴えかけても、結局何も理解されず「へぇ、そうなんだぁ」って言われるほか無くなってしまうからです。
僕はそういう社会は、ホントに恐ろしい社会だと思います。
人は誰しも、助け合っていかなきゃ生きていけないのに、人が人を理解する義務を負わない社会では、助け合いなんて何も出来なくなるからです。
(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2021年1月30日配信分より一部抜粋)
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