日本に期待される役割
日米欧や国連のように、フライン総司令官と国軍を非難する各国は、ミャンマーの未来に責任を持てるのでしょうか?
恐らくできないでしょう。これまでのように経済的な利益を追求し、投資先としてのミャンマーという位置付けは作り直せるとは思いますが、国づくりは手に負えないでしょう。
では“良き隣人”中国はどうでしょうか?
ミャンマーの戦略的かつ地政学的な位置付けに鑑みて、影響力拡大には関心はあると思いますが、果たして、国際社会と周辺のアジア諸国からの批判を覚悟してまで、ミャンマーを支配する気はないでしょう。
習近平政権にとっては、今はミャンマーに手を出して戦端を開くよりは、One China(大中華帝国の復活)のための台湾対応がPriority Number Oneとなるでしょうから、現時点では手は出せません。
では、ASEAN諸国のように、内政不干渉の原則を盾に、ミャンマー政府と距離を置き、その後の展開を様子見するというのはどうでしょうか?
この場合、“だれか”が何らかのアクションを起こすことを待ち、その行方を見ながら対処するというreactiveな対応が良いのでしょうか?
それとも、「ミャンマーの将来は、ミャンマー人の手に委ねるべき」という外交的な美辞麗句に終始して、結局、見放すのが筋なのでしょうか?
この答えはとても出せそうにないですが、国軍側も、暴力以外の手詰まりで、国民側もデモやゼネスト以外の手がなく、ズルズルとスー・チー女史の軟禁が長引く中、コロナとは関係のないところで、動きが完全に止まってしまう状況は、決して望ましいとは言えないでしょう。
ビルマの竪琴ではありませんが、日本政府も企業も、ミャンマーには親近感があるはずですし、同じアジアの国ですので、ぜひ実を伴ったサポートをしつつ、フライン総司令官とスー・チー女史の話し合いを仲介・調停する役割を果たしてほしいと切に願います。
皆さんはどうお考えになるでしょうか?またご意見、ぜひお聞かせください。
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