いわば菅氏は、官房長官と総理大臣という日本最高峰の国家権力を駆使して「奴隷官僚量産作戦」を敢行したわけです。
今回の菅長男の総務省の接待問題は、そうした菅氏の「奴隷官僚量産作戦」の小さな帰結の一つにしか過ぎません。
「菅長男の息子と食事をすれば、総理に気に入られるかも」と浅ましく期待し、「逆に断れば、気分を害し干されてしまうかも」とみじめにも恐怖し、総務官僚達は皆、我も我もと菅長男の接待を受け続けたのです。
言うまでも無く、接待を受けた官僚達は皆、菅総理に会った時に「いやぁ、こないだご子息と食事ご一緒させていただきましたよぉ、デヘヘヘヘ」と揉み手擦り手で菅総理に媚びをうって,話しかけていたに違いありません。というか、そうして菅総理から気に入って貰いたいからこそ、総務官僚たちは、法律違反である事が明白な違法接待に喜々として毎月毎月、3年にもわたっていそいそ出かけていたのです。
だからこそ、菅総理は、自分の息子が官僚たちを接待しまくっていた事実知らなかったことは万に一つも、絶対の絶対にあり得ないのです。
ということは、菅総理は、その違法接待を辞めさせることは絶対に可能だったのです!
ということは、「息子の違法接待を、自らの権限で辞めさせることができたのに、その権限の行使をしなかった」ということなわけですから、これはもう、殆ど、「自分の総理権限を使って、息子の違法接待を手伝った、というよりむしろやらせた」ということと何も変わりません。
つまり、菅氏は「自分自身の官房長官や総理の権限を使って、自分の息子に利益を誘導していた」と解釈せざるを得ないわけです。
(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2021年2月27日配信分より一部抜粋。続きはバックナンバーをご購入の上、お楽しみください)
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