今回は「英国EU離脱」に関して、離脱決定後の投資戦略について書いていきます。事前予想では、接戦ながらも残留するという見方が多かったため、マーケットもそれを見越して動いていました。しかし、いざフタを開けてみると脱退が決定した。つまり、予想では起こらないと思っていた出来事が起こってしまったため、市場は対応しきれず暴落したという説明ができます。(『日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン』)
必要なのは目利きと勇気。東京市場が貸切バーゲン状態に
英国EU離脱という「ブラック・スワン」に狼狽する市場
英国のEU離脱は当初「残留になる」という予想で、それを見越してマーケットは動いていました。結果が予想と違うということがわかった途端、一気に急落となりました。
この動きは、投資の心理学でいう「ブラック・スワン理論」で説明がつきます。
ブラック・スワン理論は、「ありえなくて起こりえない」と思われていることが起きた場合、予測できない、非常に強い衝撃を与えるという理論。とりわけ、予測できない金融危機と自然災害のことを表す。
ヨーロッパでは「白鳥」は白い鳥だけと思われていたが、1697年にオーストラリアで黒い白鳥が発見される。以来、「ありえなくて起こりえない」ことを述べる場合、“ブラック・スワン”という言葉を使うようになった。
引用:wikipedia
英国のEU脱退の国民投票は事前予想では、接戦ながらも残留するという見方が多かったため、マーケットもそれを見越して動いていました。しかし、いざフタを開けてみると脱退が決定した。つまり、予想では起こらないと思っていた出来事が起こってしまったため、市場は対応しきれず暴落したという説明ができます。
それで、EU離脱という結果を受けて、その後経済はどう動くのかについて色んなメディアがニュースで伝えております。中にはセンセーショナルな内容であったり、恐怖を感じさせることもありますが、そういった材料で売買判断するのではなく、まずは冷静になることを心がけてください。
特に、日経平均株価が1日で1000円も急落したり、その後も余波が続く展開になると、投資経験の少ない人ほど動揺、狼狽して、慌てて保有資産を投げ売りしてしまう傾向があります。ですが、投げ売りをしてしまうと、それこそ損を確定してしまいますし、次のチャンスに乗り遅れることになります。
市場参加者の多くはデメリットだけに注目
今回の国民投票により、英国がEUを離脱することは決まりましたが、いつ実行するかはまだ先の話です。さらに、EU離脱をする国は初めてなので、正確な影響など誰にもわからないのです。
離脱により関税の増加というデメリットがある一方で、ポンドが安くなれば輸出競争力は高まるというメリットもあります。
(それよりも気になるのは、英国EU離脱が米国の外交と経済に打撃となるシナリオです。日本は米国輸出依存度が高いため、日経平均採用銘柄の主力である輸出関連株はしばらく敏感な動きとなる可能性もありそうです。)
そのため、あなたはマーケットの過剰反応に流されるのではなく、割安になった株をじっくり吟味すればいいのです。
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割安株を見つける「3つのポイント」
24日は東証1部上場企業の99%が下落したようですが、これは言い換えれば、成長株や高配当株まで下がっているということです。業績は順調、もしくは好調ながらも一気に売られた株は、思い切って狙いを定めていきましょう。
日経平均株価 日足(SBI証券提供)
参考までに私が思う株は、
- 国内市場が主力の小型成長株
- 継続的に売上が発生するストックビジネス型の会社
- 配当利回りが高くなった高配当株
などです。
『日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン』(2016年6月28日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2009年10月、130万円だった株式資産は2015年に5000万円を突破。定期預金などを合わせた資産は1億円に。平成24年より投資顧問業(助言)を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。メールマガジン「日本株投資家 坂本彰 公式メールマガジン」は2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数2万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。2016年12月1日『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』が日本実業出版社より発売!