「日経平均は16,900円どころを上抜けると大きな値幅が計測できる」と大和のレポート。現在の日経平均には、2つのチャートパターンが含まれている。(『「兜町カタリスト」』櫻井英明)
日経平均終値は39.44円高の16,926.84円、ここからの展開は?
先駆者の悲劇
早朝、道々考えたこと。
動き始めた汽車の窓辺で見かけた銘柄に注目する専門家。言ってみればサライの世界で面白くはないが、株価は動く。そしていつの間にか最初から注目していたような口調となる。この変身ぶりは勉強になることでもある。
一方、まったく動き始めていないけれど、朝の街角で遠い夢を追う銘柄に注目する専門家。時間が経過してから動き始めていつの間にか他人の注目株となる。いつか帰るその時まで夢は捨てないと粘ってみても、消費した時間は多過ぎる。
どちらがいいのだろうか、なんて考えて広げた日経朝刊。スクランブルの見出しは「逆境の中小型株運用」。苦戦が続く中小型株の運用では、人目につきにくい地味な銘柄を探す動きが続いている。
引用されていた投資家さんの言葉「他の人が注目しない銘柄を探すのが醍醐味」、これは確かに快感でもあろう。「一時人気だった任天堂やバイオ株には目もくれない」。徹底した投資哲学がうかがわれる。「急成長期待で買われた株は人気が離れるのも早い」そして「大型株優位の相場だからといって上昇する主力株買いに追随しても人並みの収益」。
逆説的な結論は「人の行く裏に道ありを実践するチャンスは今の中小型株にあるのかもしれない」、我慢が肝要ということなのだろう。
しかし、他人が見出してくれた銘柄にコメントする方がはるかに楽なのも現実。後から来て先頭に立つのはたやすい。これを先駆者の悲劇といってしまえば容易いのだが…。
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2つのチャートパターンが見える、現在の日経平均
「日経平均は16,900円どころを上抜けると大きな値幅が計測できる」と大和のレポート。現在の日経平均には、2つのチャートパターンが含まれている。
日経平均株価 日足(SBI証券提供)
大きくは、2月・6月を安値とするダブルボトム。その間の高値(4月)である176,000円どころを現在値が抜けると、ダブルボトムの値幅である約2,700円の同幅上げが最小の上値計測値となる。具体的には20,300円どころが計測値となる。
小さく見ると、6月以降に形成しているのが上向き三角保ち合い。16,900円どころに水平な抵抗水準がある。このネックライン(16,900円)どころを現在値が上抜けると、底値からの上昇幅約2,000円の同幅上昇で19,000円どころの上値が計測できる。
まとめると…。現在値が短期の上向き三角保ち合いのネックライン16,900円どころを上抜けると、自動的に中長期のダブルボトムのネックライン176,000円を上抜けることが期待できる。結果的に20,300円の上値が期待できることになる。16,900円抜け後は大きな値幅が計測されよう。
『「兜町カタリスト」』(2016年9月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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