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【Q&A】どう見るこの相場~マイナス金利で、われわれの預金もマイナスとなるのか?

日銀が初となるマイナス金利政策を発表した。心理的効果が大きかったことで日経平均は下げ相場から一転して急反発に転じた。年初からの大幅安、重要閣僚辞任という暗い相場環境だっただけに、「世直し」ということではグッドタイミングだったといえる。今後の展開はどうなるのか。(『日刊株式投資情報新聞』)

どう見るこの相場~マイナス金利をうけた日経平均の行方

マイナス金利の効果は不透明、賞味期限は1カ月程度か?数量株の1カイ・2ヤリの可能性も

<Q>
日銀がマイナス金利を発表したが、甘利大臣辞任のタイミングと関係はあるのか。

<A>
それはないだろう。重要閣僚の辞任で、不安定だった株式市場がさらに不安定となる可能性があっただけに、マイナス金利策発表で日経平均が急伸したことから結果としてはグッドタイミングだったといえる。

<Q>
マイナス金利は、経験したことがないので、ピンと来ない。われわれの預金もマイナスとなるのか。

<A>
それはない。もしも、個人の預金をマイナス金利としたら、預金者は一斉に預金解約に走るから一大金融パニックとなってしまう。今回は、あくまで銀行が日銀に預けている当座預金についてのことだ。現在、当座預金残高は250兆円規模といわれるが、このうちの一部預金についてマイナス0.1%の金利、つまり、預かり料を取られる。

<Q>
効果はあるのか。

<A>
話を分かりやすくするために乱暴ではあるが、仮に、当座預金250兆円すべてとして計算すると、これまで0.1%の利息分2500億円が銀行界に渡っていたが、マイナス0.1%金利では、逆に、2500億円を銀行側が日銀へ支払わなくてはいけない。

当然、銀行経営には収入減となる。ただ、250兆円全てではないから銀行にとってそれほど問題にはならないだろう。マーケットでは、当座預金に行かなくなる資金(金額は不明)が、どこに向うかを注目している。企業の設備投資資金、個人の住宅資金などに向えば景気上向きに繋がるし、株式マーケットに向かえば株高による消費への効果が期待される。

<Q>
銀行は株を買うだろうか。

<A>
中長期で本腰を入れて買うかどうか、分からないし疑問もある。アベノミクスに中折れ感が出ており、先行きに不透明感があるからだ。しかも、これまでアバノミクス買い相場で、外国人投資家、投信、年金などが大量に買っており、ここで本腰を入れて買うと先発組の保有株を肩代わりすることにもなりかねない。銀行が株買いに出るとしても債券のディーリングのように株式の短期売買となる可能性はあるのではないか。その場合は、数量株の1カイ2ヤリの展開が予想されそうだ。

<Q>
マイナス金利の相場への賞味期限はどのていどか。賞味期限のあとはどうか。

<A>
2013年4月と2014年の2度の量的金融緩和のときは、日経平均は、短期的には、ほぼ1カ月後に頭を打って調整し、調整後に再上昇して緩和策実施6カ月後に大きい天井となっている。今回のマイナス金利で日経平均が1カ月もつかどうかは分らない。

ただ、短命効果だった場合は、さらに、量的金融緩和が実施される可能性はありそうだ。現在、国債等を年間80兆円規模で買い上げる策となっているが、年100兆円規模となる可能性はありそうだ。量的緩和が今、出れば6カ月後の7~8月までは日経平均は上昇という絵が描けるだろう。

ともかく、去る、1月21日の安値で日経平均は少なくとも今年前半の底になった加工性はあるだろう。売方は、空売りでの深追いは避けるところで、買方は好業績・高利回り銘柄中心に押し目買いスタンスでよいだろう。

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マイナス金利で注目セクターは?日本インタビュ新聞編集長・浅妻昭治の視点

「マイナス金利」導入の三次元追加緩和では、消費者金融株に異次元緩和相場の再現を期待して追随も一考

東京市場発の株高が、世界同時株高を演出し地球を一回りして帰ってきた。前週末1月29日の日経平均株価の476円高が、英仏独の欧州株の株価上昇を牽引し、さらに米国市場に連鎖、ニューヨーク・ダウ工業株平均は396ドル高と今年最大、昨年8月以来およそ5カ月ぶりの上げ幅となった。

まことに結構なことである。昨年8月以来、日本株は、中国・上海株や米国のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物(WTI)価格に振り回されっ放しで、日経平均が、今年1月21日には1年3カ月ぶりの安値に突っ込みながら、カバーする手立ては皆無で切歯扼腕してきた。

それがようやく日本株に独自材料が出現して、自律的に相場形成に向かうことができる望みが高まったからだ。独自材料とは、いうまでもなく1月29日に日銀の金融政策決定会合で決定された第3弾の金融緩和策、量的・質的な二次元の緩和策にもう一元加える三次元緩和策のマイナス金利の導入、いわゆる「黒田バズーカ3」である。

ただこの「黒田バズーカ3」は、東京市場では決定発表後に若干の混乱があった。日経平均は、決定が伝わった直後に597円高と急伸したが、その高値から今度は前日比274円安と急落、日中の高安の値幅は871円と乱高下した。

為替相場も同様で一時、1ドル=121円台半ばと円安になったのが、119円台まで揺り戻し、結局、120円台で引けた。この乱高下は、「黒田バズーカ3」決定がサプライズとなって売り方の買い戻しが一巡したところに、導入されたマイナス金利の分かり難さがネックとなって金融機関の業績への悪影響などが懸念され、メガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東1)、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)が、揃って昨年来安値まで売り込まれたことなどが要因となったようだ。

しかし、金融政策決定後の記者会見で、黒田東彦総裁が、「必要な場合には追加的な金融緩和措置を講じる」と発言して、マイナス金利のマイナス幅をさらに拡大させる余地があることを示唆し、これが地球を一周して各国市場、各国金融当局によって好意的に評価されたことから、メガバンクの業績への悪影響を差し引いても、「黒田バズーカ3」は、引き続き日本株独自の株高材料になるとみて間違いないようだ。

現に1月29日の東京市場でも、「黒田バズーカ」関連の定番株の不動産株では、東急不動産ホールディングス<3289>(東1)を含めて4銘柄が、大引けにかけてストップ高と買い直された。

とすると問題は、「黒田バズーカ3」が二回り目となる今週以降、どの銘柄にターゲットを絞れば投資効率がベストかということになる。「黒田バズーカ」は、今回で3回目となる。2013年4月の異次元緩和策、2014年10月の資産買い入れ枠の増額の追加緩和策、そして今回のマイナス金利初導入の三次元緩和策である。

このうち「黒田バズーカ」関連の定番株の株価感応度が高かったのは、緩和措置のサプライズが強かった異次元緩和時である。今回の三次元緩和も、サプライズ好みの黒田総裁らしいと評価されており、前記のように不動産株の一角もストップ高しているだけに、定番株の消費者金融株は、前週末に急伸はしているものの、メガバンクとは対照的に逆に追随してみるのも妙味がありそうだ。

【関連】デフレの国・日本における「マイナス金利政策」の盲点=三橋貴明

日刊株式投資情報新聞』2016年2月1日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

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