「NHKから国民を守る党」が参院選比例区で1議席を獲得した。なぜ注目を集め、躍進したのか。NHKの異常さに気づき、不満を持っている人が大勢いるためだ。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』鈴木傾城)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
見なくてもネットにつながれば徴収?貧困層からカネを毟り取る…
「NHKから国民を守る党」の大躍進
2019年7月21日の参議院選挙で「NHKから国民を守る党」という党が議席を得た。この党は、代表の立花孝志氏がひとりで始めた党なのだが、今のNHKはいろいろおかしいと思っている国民も大勢いたので大きな旋風となっていた。
NHKは何がおかしいのか。基本的に、見たくない人、見ていない人、テレビさえも持っていない人から無理やり受信料を徴収して、偏向した番組を垂れ流していることである。このことに不満を持っている人は大勢いる。だから、「NHKから国民を守る党」は躍進した。
2017年12月6日、最高裁大法廷はNHK受信契約訴訟において「NHKが受信契約を拒否する人に対して訴訟を起こし、NHKの勝訴判決が確定した時点で契約が成立する」「NHKはその人が受信装置(テレビなど)を設置した時点に遡って受信料を徴収できる」という判断を示している。
「NHKなんか絶対見ない。見ていない。見たくもない」「なぜ偏向報道の局にカネを払わないといけないのか」と抗議しても無駄なのだ。NHKは、そんな人からも無理やり受信料を毟り取っていく。
理不尽ではないか。
職員は法外なまでの高給をもらっている
立花孝志氏が訴えているのは「NHKのスクランブル化」だ。いろんな理由でNHKを見たくない人には、スクランブル(電波を乱す暗号)をかけて技術的に見られないようにすればいいのに、NHKは絶対にそれを検討しない。
カネを払わない人に対してスクランブルをかけることによって見せなくすることは技術的にすぐにできる。NHKはそれをしないで、無理やり受信料を毟り取る。
それだけでなく、国民から受信料を毟り取って偏向した報道を垂れ流し、さらに自分たちは民間には想像できないほどの高給を取っている。それがNHKという存在だ。
NHKの職員がどれだけ高給取りなのかというのは、すでに2013年の時点で分かっている。2013年12月3日、衆議院総務委員会にて日本維新の会所属の国会議員だった三宅博氏(2017年4月死去)が驚くべき現状を明らかにした。
NHKの職員約1万人が、人件費だけで1,819億円を使っているというのである。これは1人あたりの給与にすると、約1,190万円となる。厚生費、退職手当を含めるとさらに額が上がって1,753万円になっていると三宅議員は計算して発表した。
国家公務員の給料はもらいすぎだと大批判があるのだが、その額は約651万円だった。
国税庁の民間給与実態統計調査では2013年時点の民間給与平均は408万円だった。パート、派遣社員の非正規労働者の年収は168万円。公務員の給料は民間よりも250万円近くも高かったが、それよりもっと高額だったのがNHKの人件費である。
スクランブルをかけるという技術的にすぐにでもできることをしないで、国民からカネを毟って毟って毟り取る。そして、自分たちは法外なまでの高給を取る。凄まじい銭ゲバだ。
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インターネットにつながれば受信料を毟り取る
そして、2019年3月13日には、「テレビを持っていなくてもワンセグ携帯のみでも受信契約義務がある」と裁判で結果が出たので、銭ゲバぶりはもっと進む。
ワンセグ携帯を持っていないという人も、今後は逃れられないかもしれない。
NHKは今後インターネットでニュースを同時配信するようになるので、今までの経緯から見ると、「インターネットにつながる機器を持っている人から全員受信料を徴収する」という方向になるからだ。
民間の平均年収に合わせよ
NHKの職員は民間の3倍近くもの年収を得ている。年収3倍の人たちが、自分たちの3分の1の人間かそれ以下の年収の人たちからカネを毟り取っている。
その結果、NHKの年間受信料収入は7,000億円を突破している。「そんなに儲かって職員に1,000万円以上もばらまくカネがあるのならば、受信料は極限まで下げるべきだ」と批判が殺到している。
NHKはそれに応えて2018年に受信料値下げを発表した。いくら値下げすると言ったのか。地上波で59円だ。
貧困や格差が問題になっている日本社会で、NHKの職員はささやかに生きている普通の日本人から問答無用に金を奪って年収1,190万円で豊かに暮らすのである。これほど理不尽で、非合理な話はない。
当たり前の話だが、民間の平均年収が400万円台であるならば、NHKの職員もまたそうあるべきである。
どんな顔で貧困者に寄り添う番組を作るのか
それができないのであれば、あたかも貧困者に寄り添うような番組を作るのは止めるべきだ。
たとえば、NHKは老人の孤立死や生活苦を番組で取り上げ、若者の貧困を番組で取り上げ、女性の貧困を番組で取り上げて、「日本ではこんなに貧困が拡大した」と盛んに報じている。
しかし、そうやって国民の貧困を問題だと取り上げるのであれば、自分たちの賃金が逆の意味で問題であるとなぜ取り上げないのだろうか。
1,190万円の年収の人間が、「国民は貧困に落ちて大変だ」としたり顔で言う。しかし、彼らの高給は貧困に落ちた人たちから徴収した受信料で成り立っている。これは、あまりにもスキャンダラスな実態である。
そんなに「国民が貧困に落ちて大変だ」と言いたいのであれば、自分たちがいくらもらっているのか公開し、給料を半減し、貧困層から取り立てるのを止めるのがスジだ。
良識があれば、そうする。NHKがそうしないというのであれば、NHKは良識がないということだ。だから「NHKをぶっ壊す」と言われるのである。
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こんな傲慢不遜な公共放送が日本に必要だろうか?
「一方的に電波を送りつけておいて受信設備があるから受信料を払えというのはおかしい」というのが国民の訴えだ。まして、「見ていない人」からも受信料を取るというのはどうかしている。
契約者だけが放送を見ることができるようにするスクランブル化は、すでに有料放送が採用してうまく運用ができている。しかし、NHKはスクランブル化をして受信料収入を下げるようなことはしない。
2019年7月23日。「NHKから国民を守る党」が議席を獲得したことを受けて、石田真敏総務大臣は「NHKは災害報道や政権放送などを担う公共放送なのだからスクランブル化は考えていない」と述べている。
要するに、スクランブル化したら国民全員が見られないので公共放送にならないという趣旨だ。しかし、国民全員が見られなければならないというのは、もう古臭い考えでもある。
かつてテレビくらいしか情報源がなかった時代ならいざ知らず、今はインターネットという超強力な情報源がある。テレビを持っていない人も普通になってきた。インターネットで情報を得ている人はNHKがなくても困っていない。
だから、NHKは時代に合わせてスクランブル放送を取り入れて、見たい人だけ見せる形に移行した方がいいのではないかという議論は意味がある。まして内容に偏向があるのならなおさらだ。
N国が躍進するワケ
NHK担当者は、料金を払わない家宅に押しかけては「払え、さっさと払え」と暴力的かつ威圧的に国民を脅し、ヤクザのように受信契約を迫っている。
なかには夜間訪問をして脅したり、勝手に家の中に進入したりする人間もいる。あるいは、玄関のドアをどんどんと叩いたり、蹴飛ばしたり、大声で名前を叫び続けたり、チャイムを連打するような担当者もいる。
多くの国民がNHKの担当者の傲慢で横暴で粗雑な態度に恐怖を感じている。しつこいNHKの家宅訪問と受信契約強制に心的外傷後ストレス障害になった主婦もいる。こうした行為を野放しにしているのがNHKだ。
そして、NHKは絶対にこれを報道しない。だから、マスコミは信用されなくなり、「NHKから国民を守る党」が躍進する。
2019年7月21日の選挙で起きたのは、そういうことだ。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年7月25日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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