2019年12月26日に、Jフロントリテイリングがパルコの完全子会社化を目的とした株式公開買付け(TOB)を発表。経緯や市場の反応などをまとめた。(『元証券マンが「あれっ」と思ったこと』)
12月26日にJフロントがパルコ株の公開買付を発表
TOB価格はパルコの前日終値株価に対して35.6%のプレミアム
2019年12月26日、Jフロントリテイリング<3086>が、パルコ<8251>の株式公開買付け(TOB)を発表した。
※参考:株式会社パルコの完全子会社化について‐J. フロントリテイリング株式会社
以下はその概要。
<1.TOB概要>
・TOB価格:1,850円/株(12/25終値1,364円の35.6%のプレミアム)
・買付予定株式数:Jフロント保有株式及びパルコ保有自己株式を除くすべて
・買付総額:約658億円
<2.資本関係の経緯>
2012/3 パルコ株式33.2%を取得し持分法適用関連会社化
2012/8 TOBにより約65%まで追加取得し連結子会社化
<3.完全子会社化で目指すシナジー>
(1)小売・不動産事業グループとしての事業基盤強化
(2)マルチサービスリテイラーとしての発展に向けた関連事業強化
(3)経営効率の向上
(4)人材の相互交流を通じたノウハウの共有による競争力強化
<4.株価終値推移>
(1)Jフロント
12/25 1,432円、12/26 1,436円、12/27 1,511円
12/30 1,530円、1/6 1,585円
Jフロントリテイリング<3086> 日足(SBI証券提供)
(2)パルコ
12/25 1,364円、12/26 1,378円、12/27 1,678円
12/30 1,845円、1/6 1,848円
パルコ<8251> 日足(SBI証券提供)
<感想>
本件は、Jフロントによるパルコの完全子会社化目的のTOB。Jフロント株価を見る限り、市場は好感した模様。
今後の人口減少等の環境変化に対応した、この種のTOB案件は益々増えるものと思われる。
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『元証券マンが「あれっ」と思ったこと』(2020年1月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による