17日の日本株市場は、過去2週間で3回目のサーキットブレーカー発動となった米国市場の流れを嫌気する格好から、波乱の相場展開が続きそうだ。16日の米国市場は、NYダウが3000ドル近く下落した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が週末に緊急追加利下げでゼロ金利政策に踏み切り、量的緩和を再開することを発表したものの、大規模緩和が逆に投資家の恐怖感に繋がり寄り付きでサーキットブレーカーが発動する状況。その後も、トランプ大統領が会見で、新型コロナウイルスによる危機が7-8月頃まで継続する可能性を警告すると、下げ幅を一段と広げ安値圏で引けている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比620円安の16220円。安いところでは15860円まで売られる局面もみられていた。円相場は1ドル105円90銭台で推移している。グローベックスの米株先物の弱い値動きから下げは想定されていたが、3000ドル近い下げはネガティブである。シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなろうが、先週末の安値をあっさり割り込んでくるため、下値不安が一段と強まりそうだ。
もっとも、AIアルゴ取引に振らされる格好から先物主導による下げが見込まれるが、シカゴ先物が一時15860円まで下げていることもあり、下値を拾う流れにもなりづらいだろう。各国中央銀行の金融政策によっても下げ止まらない状況であり、売り優勢の展開。ヘッジ対応で先物を売り建てる動きも出ており、売り安心感にもつながる展開が警戒されそうだ。
とはいえ、日銀のETF買い入れにより、押し上げる効果は限られるとしても、ショックアブソーバ的な役割は期待される。売り一巡後の底堅さが意識されてくるようだと、買い戻しも期待されるところ。また、ADR市場では全般軟調な中で、ファーストリテ、TDK、太陽誘電の強さが目立っていた。ファーストリテは閉鎖していた中国の店舗が徐々に再開してきている。ヨーロッパ各国の影響は警戒されようが、指数インパクトが大きいだけに、下支え的な動きをみせてくるかが注目される。