巷には「いかにしてカッコよく見せるか」的な情報が溢れていますが、そんな小手先のテクニックを使うのを放棄したくなる超ワイルドでカッコいい、しかもそれを本人たちがまったく自覚してない男たちがバングラディシュにはわんさかいるんです!世界38カ国を旅した写真家・三井昌志さんがメルマガ『素顔のアジア (たびそら・写真編)』で紹介してくださっています。
無駄にカッコいい男たち
バングラデシュの街角には「無駄にカッコいい男」がたくさんいた。存在感みなぎるいい面構えをしているのに、当の本人たちは自分のカッコよさに全然気づいていない。そういう無頓着な男前があちこちにいたのだ。
彼らは日本でもてはやされているイケメンとは目指している方向がまったく違っている。決して「モテる男になろう」と意識しているわけではないのだ。ただ自分に与えられた仕事をこなしているうちに、自然と体に筋肉が付き、身のこなしが洗練され、外見に味わいが出てきたのである。
そんな「無駄にカッコいい男」を見つけると、僕は迷うことなくカメラを向けた。
「あんた、すっごくいい顔してるよ。輝いてるよ」
その気持ちを相手に伝えたかったのだ。
言葉で伝えるよりも先にシャッターを切る。それが僕なりのコミュニケーションの方法だ。彼らがもっとも輝いている瞬間を撮り、それを液晶モニターに映し出して本人に見てもらう。
「ね、いいでしょう?」
「お、いいねぇ」
いい表情が撮れたときには、被写体となった男たちも嬉しそうに笑ってくれた。たとえ言葉は通じなくても、何かを共有できたという確かな手応えを得ることができた。
写真を撮るって、誰かに小さく恋することだと思う。世界各地で撮影された100人を超人々の笑顔が詰まった写真集です。どんな環境にあっても人は笑顔になれる――そんなシンプルな事実に心動かされながら、僕は旅を続けてきました。ぎゅっと濃縮された「笑顔のエッセンス」を、ぜひ感じてください。
著者/三井昌志
写真家。1974年、京都市生まれ。東京都在住。機械メーカーでエンジニアとして2年間働いた後退社し、2001年にユーラシア大陸一周の旅に出る。帰国後ホームページ「たびそら」を立ち上げ、写真集「アジアの瞳」を出版。以後、写真家としてアジアを中心に旅と撮影を続けながら、執筆や講演などを行う。これまでに出版した著作は6冊。
素顔のアジア (たびそら・写真編)
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