さて、先日から紹介しているウォルマートですが、まだまだ株価を下げていますね。私も購入したのはいいのですが、下値が見えないのでヒヤヒヤしています(笑)
しかし、この株に関しては、かなり自信を持っています。というのも、サイエンスで勝負している会社だからです。
日本でコンビニがうまくいっているのに、スーパーがまるでダメなのはなぜでしょうか?
『ビジネス知識プレミアム』というメルマガにその違いが明確に書いてあるのですが、内容がものすごく難しいので、結果だけ言わせてもらうと、コンビニには、システムが適用されているのに対し、スーパーにはシステムが適用されていない。
このシステムというのが、セントラルバイイングという、いわゆる、店舗ごと各々が各々の卸会社に発注するのではなく、地域で一括でまとめて買い上げ、在庫を効率化し、より安い値段で商品を買うシステムです。
コンビニには基本的には同じ製品が置いてあります。そのため、大量に同じ製品を仕入れ、一度地域の中核配送センターに納め、そこから製品を分配できるのです。
しかし、日本のスーパーは違います。通常は、配送センターを中心に店舗を配置することで、配送の効率化を意識して商勢圏づくりをしなければいけないのに、日本のスーパーは、飛び地出店、個別発注が横行しています。
『ビジネス知識源プレミアム』を引用させていただきますと、
わが国では、
(1)店舗が、ドミナントに配置されていない。
(2)生鮮の生産量が零細であり、まとめて買うことができない、
という事情があります。
このため日本型GMSの生鮮は、地域の仲卸、仲買に乗る形で、個店仕入をしてきたのです。
わが国では、鮮度の期間が短い生鮮は、個店仕入が多くなり、D/Cでのセントラル・バイイングが成立しません。
このため、生鮮・惣菜の売上が60%~70%もある食品スーパーでは、全国展開のナショナル・チェーンが成立していません。食品スーパーは、全部が、地域のリージョナル型のチェーンでしかない理由は、この生鮮の、零細な、地域結合の流通形態にあるのです。
というわけです。
つまり、ちゃんと機能していないんです。スーパーのメリットが。
しかし、アメリカではこれがうまく働いています。そのため、ウォルマートの業績が下がっていて、Amazonに押され気味と言っても、この強みがある限り、米国では強いでしょう。
さらに、日本でも負けないでしょう。
現在、円安になっており、海外からの輸入製品は、価格が高いです。それでも国産を買うよりは安いので、高くなった海外食品を買わざるを得ません。
そうなれば、このウォルマートの知識を持つユニー(ウォルマート子会社)が、価格優位性を保ち、まだまだ活躍できるのは、当然です。ネットでは、価格が比較しやすいので、その差が顕著に出るでしょう。
アプリ、配送サービス、ピックアップサービス(注文した商品を選んで置いてスーパーで渡すだけ)のどれをとってもウォルマートが優秀に思います。
生鮮食品に対して何の実績もないAmazonが、この牙城を簡単に崩せるとは思えません。
image by: Niloo / Shutterstock.com
『毎日5分! 経済英語NEWS!』より一部抜粋
著者/八木翼
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