【傍聴記】保育士による虐待事件のウラに「ブラックすぎる」勤務実態

 

弁護人 「弁3~8号、勤務表、シフト表…午前6時45分から夜8時…その他の職員はパートタイム…」

なぬ? 6時45分から20時って13時間15分じゃん? 被告人以外はパートさんだけ?

それが弁8号証までと聞こえたが、19号証まで同様だったのか。とにかく声が小さいのだ。

弁護人 「弁20号、示談書、平成28年(2016年)4月12日作成…弁21号、○○銀行、60万円振込み…弁22号、謝罪文、被告人から被害者へ…一生、保育園には戻らない…保育士免許は破棄(?)する…」

それら書証について普通は、原本提出か、原本取調べ写し提出か、原本なし写し提出、なのだが、弁護人は「写し提出」とだけ言い、原本はないのか尋ねられて原本を示し、すぐに原本を提出すると言い、原本には証拠番号がないと言われ、じゃ写しを、と。

新人なんだな~、慣れてないんだな~、というものをマニアはカンジダ、もとい感じた。

情状証人は被告人の母親。

被告人はアパート暮らしだったが、保育園での仕事が終わると毎日、母親の実家へ寄ってたんだという。

証人   「(午後)8時半頃、仕事の帰りに車で寄って、夕食を…次の日のお弁当を持たせ…」

被告人(娘)が疲れて憔悴してることが明らかだったので、毎日そのようにしてたんだという。

弁護人 「(被告人が)3年半近く、ずっと長時間労働だったことは知っていましたか?」

証人   「知りませんでした」

弁護人 「(娘が疲れきってるのを見て保育園を)辞めさせようとは思いませんでしたか?」

証人   「思いました。もう辞めたほうがいいんじゃないかと伝えました」

弁護人 「何をしてあげるべきだったと思いますか?」

証人   「強制的にでも辞めさせるべきでした。実家へ帰らせるべきでした」

検察官(2人のうち主任。女性)は、20代には到底見えないが、新人なんだろう、だいぶぎこちない。

それでも検察の論理に洗脳されてきってるのか、仕事のストレスは誰にでもあるしかし本件のようなことをする者はいない、と上手に突っ込んだ。

けどぜんぜん成功しなかった。だぁって、本件のような過重労働は常軌を逸してるもん。「誰にもあるストレスのはずがないもん。

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