結論からお話しをするとそれは可能です。なぜなら、人事の裁量権は会社にあるからです(ただし、懲戒処分の場合は就業規則にその規定が必要です)。
実は、このような「昇進したくない」という社員についてのご相談は、私も結構いただきます。ただ、その社員に対して「強制して昇進」もしくは「従わなければ懲戒処分」という方法をとることはまず、ありません(「法律的には可能」というお話しをするくらいです)。
なぜなら、会社にとって優秀な社員だからこそ昇進させたい訳であり、そのような方法をとることはその社員のモチベーションを大きく下げてしまうことになるからです。これでは、会社にとってもその社員にとっても良いことはありません。
では、どうすべきか?
「なぜ昇進したくないか」を本人からしっかりヒアリングすることです。その理由は、もしかしたらその社員個人の事情かも知れませんし会社の現状についての不満かも知れません。
もし個人の事情が理由であればその事情に、どれだけあわせることができるか、また、会社への不満であればそれをどれだけ解決できるか、を話し合うことが大切でしょう。
すべてをその社員の希望通りにするのは難しいかも知れませんがある程度の納得感をもってもらうことはできるでしょう。
本来はお互いにとって良いことである「昇進」がもったいない結果にならないように工夫をしていきたいですね。
※補足です。
ただし、昇進に伴い、条件を不利に変更することはもちろん強制的にはできません。念のため。
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企業での人事担当10年、現在は社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツをわかりやすくお伝えいたします。
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