ええっと、こう見えて「絵」なんです。リアルを追求する5人の芸術家

2017.01.26
 

透過光の美しさがすばらしい油絵 / Dennis Wojtkiewicz

ROSETTE-SERIES-#8

『Rosettes Series #8』

「自分の作品はすべて光から始まる」と話すDennis Wojtkiewicz氏。「私が描いてるモノにどんな影響を与えるか? 光はどのように影響を与えるか?ということを考えています。光はとても演劇的であり、絵の中の感情やムードを作り出します。そして、永遠の感覚や、とてつもない何か大きなものに光は導きます」。

夕暮れや教会のステンドグラス越しの光を思い浮かべて、『光の感覚』を表現しているそうです。

そんな彼が最も敬愛する芸術家はオランダ人画家のヨハネス・フェルメール。

「映像のような写実的な手法と綿密な空間構成、そして光による巧みな質感表現を特徴とする」フェルメールの作品には、「別の世界を表現されている。私にはうまく描けないけど、それを感じるとることができます。それをずっと追い続けていますね」 。

『Melon Series #34』

『Melon Series #34』

『Dahlia Series #13』

『Flower Series #23』

『Flower Series #23』

花びらの質感までが間近に伝わってくる感じですね。

学生の時にスーパーリアリズムの先駆者でもある、リチャード・エステス氏の作品を見て、衝撃を受けます。

「彼の作品を見て、その横の説明に油絵とあって、本当におったまげたよ!これが本当に絵なのかってね。信じられませんでした」。その瞬間から、ハイパーリズムの世界に興味を持ちます。その後、パリへ向かい、スタジオでアートを学び始めました。

自身はスーパーリアリズムに傾倒しているわけではないと話します。
「作品のために写真を撮ることはあります。でも、それはマップのようなもの。どこに行きたいかを示すようなものということです。もし写真のように単に描写するだけなら、それはきっと人の感情をうごかさない乾いたものになってしまっていると思う。そこに存在感のある作品に仕上げることを心がけています。見ている者が感じて、つながるような作品を目指していますね」とフォトリアリズムの世界について話す、Dennisさん。

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Dennis Wojtkiewicz
1956年生の米国人アーティスト。サザン・イリノイ大学卒業。スライスされた果物や花などの作品がよく知られている。米国を中心に海外でも活動。
公式サイト

 

 

まったく異なる表現をする5人のアーティスト。

やはりネットの画像だけでなく、実物の作品の前に立ち顔をぐぐっと近づけて、じっくりと細部のタッチを味わいながらフォトリアリズムやハイパーリアリズムの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

取材・文/桜井彩香

 

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