祝・ナショジオ写真賞受賞。三井昌志が撮る「輝く汗と汚れた手」

 

悠久の人

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2年ぶりに訪れた町で、2年前とまったく同じ格好で新聞を読む老人がいた。微動だにしない日常のルーティーン。何も変わらなくたっていいんだよ。悠然とした風貌の老人が、そう語りかけているように思えた。

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朝の日課として鳥にエサをやりに来た老人。さっそくカモメの大群が集まってきて大騒ぎ。まさに烏合の衆って感じ。日本にも鳩にエサをやる人がいますが、なぜかみんな楽しそうじゃなく、淡々と、「ま、仕方ねぇからやってんだ」という表情をしているのが面白いですね。

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イスラム教の聖廟を訪ねた。いい写真を撮るためには、運を味方にしなければいけない。運が良ければ、素晴らしい場面に出会える。幸運でも不運でもない僕にできるのは、ダイスを振り続けること。だから毎日移動する。「その先」に決定的な瞬間が待ち受けていると信じて。

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インド一周の旅は、いつも南部から始めるので、「やっぱ南インドって人が良いなぁ」と思う。そして北インドに入ると、「なんだ、北インドの方が人が親切じゃないか」と感じる。毎回、これを繰り返している。結局、「インドはいい人が多い。南でも北でも関係なく」という結論になるのだった。

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