赤字1兆100億円の衝撃。死に体「東芝」はどこで踏み外したか

 

日本は農耕民族型のDNAでは?

現在の日本は、どの業界も買収ブームである。バブル時代やその後にため込んだ内部留保は国内の消費不況から設備投資に向けることができず、結局売り上げ、利益を増やすには海外企業の買収に向かわざるをえない企業が目立つ。日本はもともと、農耕民族でコツコツと田畑を耕し、良い作物を作る工夫に知恵を絞り、努力を重ねてきたことを強みとしていた。それなのに本来のDNAを忘れ、手っ取り早いM&Aに資金を注ぎこみ失敗している企業の例は枚挙に暇がない。グローバル化IT化M&A時代の開発と企業成長のあり方をじっくり考えてみる時期かもしれない。

(TSR情報 2017年3月28日)

参考情報

なお、東芝は3月29日、米原子力子会社ウェスチングハウス(WH)など2社の連邦破産法11条の適用申請を受け、綱川社長が記者会見を行なった。これによって2017年3月期にWHグループは東芝の連結から外れる。

主な内容は以下の通り(日経新聞速報より抜粋)

  • WHなどの2社の負債総額は計98億ドル(約1兆900億円)。これによって東芝の2017年3月期の連結最終損益が最大で1兆100億円の赤字(従来予想は3,900億円の赤字)となる可能性を発表。
  • 赤字額は09年3月期に日立製作所が記録した7,873億円を上回り、国内製造業としては過去最大となる見通し。これにより東芝の債務超過額は17年3月末で6,200億円となる可能性も明らかとなった(これまでの債超超過額見通しは1,500億円)。

 

 

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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