「定年」のない企業が、経営者と社員にちっとも優しくない理由

 

● 役職定年制

管理職(役職)に就いている人に対して、ある年齢でその役職を辞めてもらう制度です。これは、役職から外れることで、地位や賃金の低下を行う制度です。

● 役職任期制

役職定年制と似た制度ですが、はじめから役職自体に任期を設け、任期終了後に再任させるか否か、あらためて判断する制度です。

● 出向

ある程度の高年齢労働者に対して、グループ企業への出向や取引先への転籍を行う制度です。この場合、「出向」については、「高度の必要性」はいりません。ただし、就業規則への出向の定め」があることが必要です。

また、「転籍」については、就業規則への記載だけでなく、本人の「同意」も必要です。

● 選択定年制

高年齢者を対象とした、早期退職者優遇制度です。一定の高年齢労働者に対して、定年前に退職した場合に割増退職金を支払うことで、早期退職を促すものです。

実質的には終身雇用制度が崩壊しているにも関わらず、高齢者の雇用継続確保が義務付けられ、一方で、「解雇」や「賃金引き下げ」については厳しい制限が掛かっている。制度的な矛盾や問題を多く抱えているのに、小手先の改正で対応しようとしているので、ますます問題が複雑になっていっている。

そろそろ、日本の雇用制度を根本から考え直さないと、日本そのものが沈んでしまうのではないか…そんな懸念を抱いています。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社の就業規則には、定年の定めがありますか?」

image by: Shutterstock.com

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就業規則とは、入社から退社までの「ルールブック」であり、労使トラブルを未然に防ぐ「ワクチン」であり、効率的な事業運営や人材活用を行うための「マニュアル」でもあり、会社と従業員を固く結びつける「運命の赤い糸」でもあります。就業規則の条文一つ一つが、会社を大きく発展させることに寄与し、更には、働く人たちの幸せにも直結します。ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

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【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

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