(3)専門性の高まりがより高度なパーソナリゼーションを提供
2017年からはじまり今年で2年目となるインターネット上のマーケティング会社Sailthruによる「リテール・パーソナリゼーション指標」(Retail Personalization Index)というのがある。
小売企業100社を独自の指標をランキング形式で発表しているもので、例えば、お勧め商品が関係性あるかどうか、メールマガジンなどのニュースレターなどがウェブブラウザーの履歴を反映しているか、実店舗、ウェブサイト、Eメールなどの異なるチャンネルを通じた全体の購買体験がいかに統合されているか等を評価。
要するに、企業やブランド側が消費者をどれだけ理解しているかをどのように示してくれているかを評価した指標なのである。
調査の結果、2018年9月5日に発表された最新の「リテール・パーソナリゼーション指標」の第1位は昨年に引き続き美容専門店のセフォラ(Sephora、指標総合点92ポイント)だったのだ。
ちなみに2位以下は、ビューティ・ブランドのボディ・ショップ(Body Shop、84ポイント)、3位はタイで、大型量販店のウォルマート(Walmart、81ポイント)と女性用ファッション・アパレルのアーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters、81ポイント)、5位はオンラインマーケットプレイスのイーベイ(eBay、78ポイント)となっている。
ご参考:
● Retail Personalization Index
パーソナリゼーション指標に関わる重要3要素とは?!
今回のランキング形式の結果を受けてSailthru社は、専門店はさらに専門店化していると分析。またそれが、Eコマース大手のアマゾンに対抗できる策であると指摘する。なぜなら、「リテール・パーソナリゼーション指標」のトップにランクインするための重要な要素は以下の3つ。
1.何がこの小売企業を特別なものにしているのか?
2.何が彼らのお客を特別にしているのか?
そして今年追加された、
3.「パーソナリゼーション」を使うことで消費者の買い物体験が専門的になっているかどうか?
Eコマースだけでなく、実店舗においても、1人1人のニーズに合わせてパーソナライズできれば単におすすめを表示するだけのアマゾンには提供できない、店舗ごとの専門性をお客さんに提供できるのである。
そんなわけで、前回、ご紹介したイタリア生まれのディエチ・コルソ・コモ(10 Corso Como)は、イタリアのミラノで誕生してから30年弱の歴史を持つが、専門性を高め、細分化した消費者の個々のニーズを満たすことを考えた世界初のコンセプト・ストアなので、今まさに注目すべき小売企業の1つと言えるのである。
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