セリアの知られざる一面。「非正規社員比率」95%超の衝撃
セリアのファンがしばしば口にする不満は、欠品の多さと共に接客が良くないことだ。
人件費を削るため究極まで人員を減らしているため、店員がレジ打ちと品出しに追われ、どうしても顧客への対応が疎かになってしまう。
商品知識が乏しい店員が多く、「店員にセリア愛が感じられない」といった意見も結構耳にする。同じようにパトロールする人が多い「カルディ」の場合、接客の評判がよく、「店員にカルディ愛が感じられる」といった一般の評価になっているのと、大きく差が付いている。
セリアは実は、日本の上場企業の中でも、際立って非正規社員の比率が高い会社だ。
東洋経済オンラインの2018年3月27日付「「非正社員の多い」トップ500ランキング」によれば、セリアの非正規社員数は8192人で122位にランクインしている。
注目すべきは、非正規社員比率の95.38%である。正社員は5%に満たない。これは堂々の500 社中1位だ。
つまり、日本の名だたる上場企業は数あれど、セリアほど極度に非正規社員ばかり働かせている企業は、他に存在していない。日本一、非正規社員率の高い会社という、戦慄の事実が明らかになっている。
ちなみに、5年前比非正社員率に対して、40.13%も非正規率が高まっており、現場から顕著に正社員比率が低下している。
セリアに限らず、100円ショップの非正規社員比率は高く、ワッツは85.71%、キャンドゥが84.90%となっている。
「ダイソー」の大創産業は非上場のため非公表であるが、セリアよりもっと非正規社員率が高い可能性がある。同社ホームページによれば従業員数21185人。「マイナビ2019」の新卒採用・会社概要によれば、従業員(正社員)は350人程度となっており、350人以外が非正規とすれば20835人である。それで正しければなんと98%が非正規、ということになるからだ。
単価が低いので、人件費に回していたら儲けが出ないのは理解できるが、それにしても100円ショップ業界の人件費を極限まで削ろうとする執念はすさまじい。
ところでいかにもアルバイトが多そうな外食の非正規社員比率は、日本マクドナルドホールディングスが84.21%、「すき家」などのゼンショー・ホールディングスで84.42%、「ガスト」などのすかいらーくで87.25%、吉野家ホールディングスは78.72%、松屋フーズ85.41%である。
このデータからも、いかにセリアの非正規社員率の高さが異常なのかは、理解できるだろう。高感度のおしゃれな商品を販売していながら、牛丼の「すき家」や「吉野家」、「松屋」よりもはるかに非正規の社員が多く、典型的な格差社会の貧困ビジネスと化している。