NYを毎日2万歩も歩いて判ったAmazon「O2O戦略」の巧みさ

 

アマゾンのO2Oを、私たちはどう参考にすべきか?

参考になるのは、当たり前だが、インターネットとリアルをうまく使いこなしている点につきる。

顧客の利便性を重視しながら、来店頻度の高い食品を持つホールフードに来店させ、ついで買いをうながすこと。いわゆるクロスセルの仕組みになっている。

また、ユーザーにとってみて、「どこででも買える、受け取れる」という、チャネルの利便性の高さも見習える。

これも商品やサービスにとっては、オフィスでオンラインで注文し、その日のうちに、リアル店舗で引き取って帰るという仕組みは、何も大企業ではなくてもできることだ。

さらに、自店舗に寄ってもらえる仕組みも、大きな参考になる。マーケティング、商売の原点は、顧客を「動かす」ことにある。その意味でも、応用して使える考え方だ。

広告を打つ時に、媒体を組み合わせるのと似ていて、販路も1つに限ることはなく、うまく相乗効果を出すように工夫することが大事なのだ。

また、ニューヨーク在住の流通コンサルタントに聞いた話だと、メーシーズなどに出していた、アマゾンのポップアップショップと呼ばれる仮店舗も、現段階では引き上げ、アマゾンブックスと4Stars、ホールフーズに集約しているとのこと。この集中と選択も重要だ。

チャネルはあればいい、というものではない。当たり前だが、コストがかかる。それも設置コストのみではなく、間接的な人件費など、目に見えづらいコストもかかるのだ。

顧客中心主義を体現している点、そのスピード、そして集中と選択。学ぶところの多い、アマゾンのO2Oだった。

image by: EQRoy / Shutterstock.com

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