ズレ続ける事業の力点
「くら寿司」は、大阪府貝塚市に天然魚のみを扱う鮮魚店「くら天然魚市場」を2016年にオープンしており、実は天然魚に非常に熱心な回転寿司チェーンである。アピールすべき商品は、いくらでもある。

くら天然魚市場(大阪府貝塚市)。くら寿司を併設、その日収穫した天然魚を販売
今回のフィッシュバーガーでも、天然魚のすり身が使われているが、テリヤキソースの味が強すぎて、それを使用する意義が伝わっていないのではないか。とても残念だ。
「くら天然魚市場」は「くら寿司」に併設されているが、「くら寿司」の魚の目利きに優れたバイヤーが選んだ魚が漁場直送、中間流通を通さない鮮度の高さを保って安価で売られているので、地域のファミリーに人気が高い。むしろ「くら寿司」は、サイドメニューに過度に入れ込むより、「くら天然魚市場」を全国の要所に配置したほうが、ブランド力が上がり、寿司の売上も上がるのではないだろうか。事業の力点が、どんどんズレてきている。
ハンバーガーでは「くら寿司」は救えない。サイドメニューで切り崩せるほどハンバーガー業界は脆弱ではないのだ。寿司とネタである魚をもう一度しっかり売ることから、バイトテロ問題を克服する再建を始めてほしいものだ。