素晴らしい見どころに恵まれているにもかかわらず、観光名所として世間ではその存在をあまり知られていない、京都・宇治にある三室戸寺。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英 学(はなぶさ がく)さんが、ツツジ・紫陽花・ハスといった様々な花、さらに秋には紅葉に彩られる古都の隠れ名所・三室戸寺の魅力を記しています。
アジサイの名所・三室戸寺
いよいよ紫陽花の時期ですね。京都で紫陽花が有名な場所、いくつかあるのですが今回は市内から少し離れた宇治市の三室戸寺をご紹介します。
三室戸寺は西国三十三観音霊場10番札所で本山修験宗の別格本山でとても由緒あるお寺です。約1,200年前に三室戸寺の奥のほうから出現した千手観音菩薩を本尊として創建されました。
地名に室という文字が使われているのは光仁天皇がこの地に離宮をかまえたことに由来します。仁和寺が御室仁和寺と呼ばれるのと同じですね。そのため当初は御室戸寺だったそうです。その後、花山天皇・白河天皇の離宮になり「御」が「三」になったと伝わります。
京都といえば桜の名所や紅葉の名所はそれぞれの季節には観光客で賑わいます。三室戸寺は紅葉の穴場として知られているのですが、山の斜面の広大な境内には沢山の花が植えられています。
4月下旬から5月上旬には約2万株のツツジが見頃を迎えます。6月~7月上旬はあじさいです。約50種1万株の紫陽花が咲きます。7月上旬~8月中旬はハスですね。本堂前に色とりどりのハスが咲きます。まるで極楽浄土のようで蓮の寺とも言われます。
宇治には世界遺産が2つあります。平等院と宇治上神社です。この2つの社寺を訪れる方は多いでしょう。宇治川にかかる宇治橋から車で5分も移動すれば静かな三室戸寺に行くことが出来ます。宇治に行くときは是非三室戸寺の壮大な境内に広がる花々を楽しむプランを加えてみて下さい。
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