3.教育を軸に活路を開こう
ここで自分を振り返ることにした。世間は自分をどのように見ているのだろうか。
多分、実務家としては見ていない。実際には現在もコンサルタントの仕事はしており、クライアント企業は存在する。それなりに貢献していると思うが、今後クライアント企業が増えるとは思えない。実際、同業者も減っているし、スポットコンサルサービスなども始まって、固定的な契約をする必然性は減っている。困った時に、ネットにつなげば、何らかの回答は返ってくるだろう。
加えて、産業構造が変化しており、繊維アパレル関連企業は構造的な不振に喘いでいる。とてもではないが、コンサルタントにお金を使う余裕はないのだ。通常業務では、ICT分野の課題が目立っており、オフラインの課題は諦めているようにも見える。
結局、残るのは、実績とキャリア、ブログ上の数百本の小論文ということになる。これが生きるのは教育分野だ。実は、私は26歳からファッション専門学校の講師、大学の非常勤講師などをしてきた。教育分野の仕事が最も長いのだ。
今から、普通の非常勤講師になっても意味がない。どうせやるなら、教育分野とビジネス分野のコラボレーションがやりたいと考えた。更に、コンサルティングという仕事も半分は経営者や担当者の教育であることに気がついた。これから取り組むべき課題は、教育である。そこから活路が開けるのではないか。
4.スマホで完結できる教育を目指す
教育を仕事にするといっても、大きな学校を考えているわけではない。小さい塾や勉強会でもいいのだ。但し、徹底的にネットを活用した教育に取り組んでみたい。できれば、スマホで完結する教育を考えたいと思う。そうすれば、現在よりも安価で充実した教育が提供できるのではないか。
製造業や流通業でこれだけコストダウンが図られているのに、教育分野だけは合理化されていない。授業も動画を活用することで、優秀な先生の講義がデータベース化できるだろう。
こんなことを考えている時に、ZOOMというオンライン会議システムに出会った。早速、実験を開始し、遠隔地の専門学校に講義を行った。更に、友人と新しい講座を計画している。ZOOMは会議の様子を録画することができる。自分一人で話せば、簡単に教材ができるのだ。それをYouTubeにアップするのも簡単だ。
久しぶりにYouTubeを見ると、年配の人達のまじめな発信も増えていた。YouTubeも新たな段階に来ているのだ。そこで、再びYouTubeへの動画アップを再開した。スマホで完結する教育の準備の意味も兼ねてのことだ。実際にカメラに向けて話してみると、それなりに独自の視点も失ってはいないようだ。ということで、再び実験の日々が続いている。
編集後記「締めの都々逸」
「何をやっても You宙ぶらりん それでも挑戦 続けてく」
時代を支配する思想が変化しています。同じ仕事でも意味が変わっています。問屋や小売店を中心にした流通システム、旧来のモノ作りの仕事を中心にキャリアを積み重ねてきた身にとって、自分はもう必要ないのではないか、という不安に直面することになります。
定年の年齢になれば、少しは経済的にも安定するのではと、淡い期待を抱いていたのですが、どうやら死ぬまで働くしかないようです。でも、安定しないからこそ、常に新しい分野に挑戦する動機にもなっているのです。そうだ、これが俺の人生なんだ、と開き直るしかありません。
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