話す内容の良し悪し、完成度に関係なく、表面的な「しゃべりの技術」によって、話し方の表現力を上げる5つのアプローチ、
- 声を磨く
- 声色を使う
- 口調を操る
- 語彙を豊かにする
今回から、最後の5番目のアプローチに入ります。5番目は、話す時の見た目の印象を演出する、です。
私はこのメルマガで、頻繁に「演出」という言葉を使います。私が言うところの「演出」の定義は、ある効果を期待して、意図的に、〇〇のような話し方をする、ということです。
例えば、言葉を繰り出す順番や、抑揚の付け方、間の取り方…などなど。これらはすべて「演出」ということになります。
上記の演出の定義に当てはめれば、次に言う言葉のインパクトや、時間の経過を聞き手に感じさせる、効果を期待して、意図的に、無音の状態を作るような話し方、これが、間を取るという話し方の演出、ということになります。
間の取り方などについて詳細は、既に記事にしていますので、過去記事をご参照ください。ただこの「演出」は、使う人の個性・キャラクターや状況に応じた、匙加減が必要です。
抑揚や間を普段はあまり使わない人が、ある日突然、急に使いだしたとして、聞く人はどう反応するかというと、「あれ、今日はなんか、話し方が大げさだね!?」なんて言われるかもしれません。
ただ、悪い印象を与えるほどではなく、むしろ、なんかいいね、ぐらいの好感を持ってもらえる可能性があります。そしてそれが良い方向であれば、そういう意図的な演出を、習慣化していけば、それが徐々に、個性になっていくものです。
いっぽう、今回のテーマ「話す時の見た目の印象の演出」では、自分のキャラに合わなかったり、状況に即していなかったりした場合、ちょっと気持ち悪い感じになったりします。
具体的には、普段はほとんど笑わないキャラクターの人が、笑顔を取り入れようと思って、頬をポンと膨らませて、口角を上げるような表情を意識したとしましょう。
これはまさしく、見た目の印象の演出にあたりますが、陰では、なんか不気味だね、と言われてしまう可能性もあります。では、そんな努力はやめたほうがいいのかというと、ここで言いたいのは、そうではありません。
話す時の見た目というのは、言行一致が大事なんですよね。見た目だけ変えたとしても、中身と一致しなければ、怪しさが増すだけですが、本当に心から、そういう見た目の人になろうとするなら、徹底的に、そういうキャラの人になりきること。言葉の通りに、自分の方が変わっていく覚悟が必要になる、ということです。